平成22年度_地域文化論(映像アーカイブ)

2010/12/3 最終回―老舗料亭「行形亭」での調査報告―

みんさんこんにちは!TAの大宮司です。

これまで数回にわたって報告してきた映像アーカイブの授業も、今回で最終回となります。

今日は、古町にある老舗料亭「行形亭」に出向き、大旦那さんがお持ちのレコードの録音、保存調査の報告をしたいと思います。

行形亭は新潟市古町の新潟市美術館の近くにあります。大通りの喧騒からは少し離れた、静かな場所にそのお店はありました。

創業は江戸時代中期の元禄の頃と言われているそうです。その歴史はなんと300年!!純日本料理の老舗の料亭です。
古風で品の良い店構えと、厳かな雰囲気に学生さんも少し緊張しているようです。

お店の中に入ると、鶴の描かれた高い天井に驚きました。

お庭にはたくさんの松が植えられ、とてもきれいに整備されています。この日はあいにく雨が降っていたので、室内から撮りました。

わかりづらくてすいません。行形亭では、昭和50年まで丹頂鶴を飼っていたそうです。この鶴と庭に多く植えられている松が、行形亭のシンボルマークとして、器などにも使われています。

私たちが通されたのは2階の大広間でした。これがまた広い!

この大広間には最大120人ぐらいは入れるそうです。このお部屋の他にも、行形亭には大小合わせて13棟もお部屋があるから驚きです。この日は夜に予約が入っているにも関わらずお部屋の一角を作業する場所として貸していただきました。今回扱うレコードがこちらです。

これはすべて行形亭に保管されていたもので、洋楽から童謡まで、色々なレコードがあります。今回の授業では、これらの貴重なレコードを録音、補修、保存の方法を学んでいきます。

今回は、講師として東京から石井仁志先生をお迎えしました。石井先生は音楽・写真・映像・文学など幅広い分野にわたって活躍されているメディアプロデューサーです。まさに私たちがこの授業で学んでいる映像アーカイブのスペシャリストというわけです。その石井先生から、まず情報媒体としてのレコードの説明を受けました。レコードといっても時期によって種類があること、それぞれどのような特徴があるのかなど、レコードにあまり触れる機会のなかった私たちには、新鮮なお話でした。

石井先生のお話を聞いているうちに行形亭の大旦那さんがいらっしゃいました。これらのレコードは全部大旦那さんが小さな頃から聞いていたものもあるそうです。ここで少し、大旦那さんに行形亭についてお話しを聞きました。

大旦那さんは、昔の行形亭のことなど、貴重なお話をたくさんしてくださいました。昔は、私たちぐらいの学生が昼間遊びに来て、部屋を借りて勉強して、夜は芸者さんを呼んで飲んで帰っていくこともたびたびあったそうです。今では考えられないことですよね。しかし、それだけ人と人とのつながりが強く、皆信頼し合い、助け合って生活していたことが伝わってきます。

その他にも、最近の行形亭のことについても教えていただきました。行形亭では、APECのサミットが新潟で開かれたときなどにも使われているそうです。すごいですよね。ですが、こうした料理屋は全国でどんどん少なくなっているそうです。しかし、大旦那さんは「こういったお店には文化がある。だから、頑張ってこの先も残していくことが大切なんです」と話してくださいました。私たちがこの授業で学んでいる映像アーカイブと似ていますね。今回は、レコードという形で残った文化を保存していきます!本当に貴重なお話を、たくさん聞くことができました。次は、いよいよ作業にとりかかります。

まずはレコードを種類(洋楽、民謡、謡曲、歌謡、童謡など)ごとに分ける作業です。レコードは割れやすいので、あまり上に重ねないように、慎重に分けていきます。皆おそるおそる作業をしていますね。

レコードを分け終わると、デジタル化するために原田先生が持ってきたこの機器で録音するのですが・・・・・・

この日は機器の調子が悪いようで、録音はできないとのこと。そこで、今回はレコードを実際に聞き、厳選したものを持ち帰って、また改めて録音することに急遽変更しました。急なトラブルにも慌てないことが大事ですね。今回使わせてもらったレコード機器はこちら!

今はもうほとんど見なくなってしまったものですが、なんだか雰囲気があります。こうしたものが残っているのは貴重ですよね。

レコードを聞く作業と並行して、レコードの汚れをとるクリーニングと持ち帰るレコードの種類と数を記入していく作業を行いました。長い年月が経ったことによる汚れをきれいにしていき、レコードを整理していきます。

石井先生にやり方を教えてもらいました。使うのはガーゼと水だけ。今回は簡単な方法でレコードの溝にたまった汚れを取り除いていきます。

水に濡らしたガーゼでやさしくふき取るだけですが、意外とこれだけで汚れはとれます。この作業は簡単なように見えて、レコードの溝の向きに合わせて拭かないといけないので、石井先生がしてくださいました。学生さんはその間に、レコードの種類と枚数を整理して紙に記入する作業です。

「この部分の番号や曲の名称を書けばいいのか」と学生さん。細かい作業ですが、大事なレコードをお借りするので、こうして記録を取っておくことは大事なんですね。学生さんも正確に、真剣に作業を行っていました。

ここで、もうひとつお仕事がきます。大旦那さんが、立体写真を見つけて持ってきてくれました。立体写真とは、今でいうトリックアートのようなもので、ある見方をすると、絵が浮き上がって見えてくるものです。これも貴重な資料ということで、もう一人の学生さんと原田先生で持ち帰るため整理していきます。

かなりの数だったので、僕も少しお手伝いしました。お借りする大事なものなので、慎重に慎重に扱います。

作業がすべて完了すると、最終チェックです。記入漏れはないか、持ち帰るものとそうでないものに間違いはないか。破損したり、傷がつかないようにケースにきれいにしまっていくのも大切です。

今回お預かりしたものは、このようになりました。

最後に皆で最終確認をして、作業は無事終了です。皆さん朝から一日、たいへんでしたが、楽しそうに作業をしていました。また、お忙しいなか、協力をしてくださった行形亭の皆様に感謝の気持ちでいっぱいです。

今回で、この映像アーカイブの授業は終わりになります。初めは、僕自身「映像アーカイブ」とは、いったい何をやるんだろう?と、とまどいながらTAの仕事をしていました。しかし、授業が進むにつれ、「映像アーカイブ」とは何かが少しだけ分かってきたように感じます。ただ、昔の資料を見つけて、修復し、保存したり、データベース化するだけではありません。それらの資料からは、確かにその時代、その場所に生きていた人たちの息吹を感じることができます。そして、この授業を通し、その資料がある場所とは、今わたしたちが住んでいるこの土地なんだと深く実感しました。一番最初の授業で、原田先生から「実際にその映像が撮られた現場、そして、その映像が保存されている現場に行くことが大事」というお話がありましたが、本当にその通りだと思います。自分がいま生きているこの土地には、どんな文化があって、どんな人たちが生活していたのか、残された映像や写真、レコードからうかがい知ることができる。これはとても有意義で、貴重なことだと思います。そして、それらの資料をきちんと整理して、この先も残していくことが、私たちがすべき大切なことなんだと感じました。

半年間という短い間でしたが、僕自身TAの仕事を通じて、多くの貴重な経験を得ることができました。授業に真剣に取り組んでいた学生さんは、僕よりも、もっと実りある時間を過ごしたことでしょう。普段の講義では得られないものが、この「映像アーカイブ」という授業にはあります。

最後に、ここまで僕の拙いブログを見てくださり、ありがとうございました。このブログを通して、少しでもこの分野に興味を持っていただければ幸いです。

それではここらへんで失礼したいと思います。最後までお付き合いくださり、ありがとうございました!


2010/11/12 写真とは何か?―映像撮影の実際―

みなさんこんにちは!今回は、日本が世界に誇る写真家・金村修先生を講師に迎え、映像撮影の実際講義内容と講演会「写真とは何か?」の報告をしたいと思います。

まずは講師の金村先生の簡単な紹介からしたいと思います。

金村修先生は1964年、東京都の生まれで、1989年に東京綜合写真専門学校に入学、この頃から、駅構内の売店に雑誌を配置するアルバイトをしながら、その空き時間を利用して写真を撮り続けていきました。(実はこのアルバイトのときに、原田先生とお知り合いになったようで、今回のこの講義が実現しました!)その後、1992年にロッテルダム写真ビエンナーレに招かれて以来、国内外で個展・グループ展を多数開催されています。

さらに、1996年にはニューヨーク近代美術館の企画展に、世界の注目される6人の写真家に選ばれ、写真を出品!その後も数々の賞を受賞されて、2000年には、なんと史上2番目の若さで第19回土門拳賞を受賞された、写真の世界では知らない人はいない超有名な先生なのです。

さて、そんな金村先生に、前半は講義と実習を、後半は講演会をしていただきました。

まず講義と実習では、自己紹介に始まり、金村先生が実際に撮影した生の写真を見せていただき、鑑賞会をしました。ひとつは金村先生がご自分で現像したもので、もうひとつ業者さんに現像してもらったものの2種類を見せていただきました。

金村先生は、自分で現像するよりも、やはり業者さんに現像してもらった方が、対象がはっきりと見えて、白黒の濃淡がきれいに出るとおしゃっていました。学生さんたちは、なかなか普段見ることができない写真に興味津津です。おそるおそる手にとって見ていますね。

金村先生の写真は、モノクロで、ほとんどが都会の撮ったものです。最初見たときは、「カッコイイ!」と思わず言ってしまうような写真です。都会の風景といっても、金村先生が撮るのは、路地裏であったり、様々な建物が入り組んでいるような場所です。普段は何気なく素通りしてしまうような路地裏の風景が、金村先生が撮ると一変して近代的なアートになってしまうから驚きです。

写真鑑賞のあとは、実習です。実際に学生さんに学内で写真を撮ってもらい、金村先生に講評をいただきました。これが皆なかなかうまく撮れています。金村先生も「これはかっこいい!」という写真が何枚もありました。前の時間に金村先生の写真を見た影響でしょうか。


皆で撮ってきた写真に講評してもらっている様子です。三十分という短い時間でしたが、学内の色々なところにいって写真を撮ってきてくれました。

金村先生曰く、「様々なものが入り組んで、複雑に絡み合う写真が良い。さらに明暗をはっきり際立たせると良いね。」とのこと。金村先生のように写真を撮ることはやはり難しいですが、学生さんたちは、楽しみながら実習していました。

さて、実習が終わると次は金村先生の講演会「写真とは何か?」です。

たくさんの方々に来ていただき、金村先生の紹介を原田先生がした後に講演会が始まりました。

なぜ自分が写真を撮るようになったのか、どのような写真を撮っているのかを、スライドを使いながらお話いただきました。

金村先生が白黒で写真を撮るのは、「シンプルにすることで、風景を形として捉えたい。色がつくとモノに意味が出てくる。」からとのこと。

さらに「同じ風景でも撮る切り口を変えると全く違うものになる。」そうで、講演会のなかでは、同じ場所で撮ったものでも、全く違う写真に見えるものを紹介していただきました。

たいへん興味深いお話をいただき、最後に学生さんからの質問がありました。

たくさんの人から熱心に質問があり、金村先生は一つ一つ丁寧に答えてくださいました。

これからどのような写真を撮っていきたいか、今後の展望まで教えてくださり、質問した学生をはじめ、皆目を輝かせながら真剣に聞いていましたね。

たいへん貴重なお話をたくさん聞くことができたと思います。講演会のあと、授業に参加している学生さんに感想を聞いてみると、「自分が今まで知らなかった世界を知ることができて、自分のなかの世界観が広がりました。とてもおもしろかったです!!」と楽しそうに話してくれました。

今回の授業と講演会がきっかけで、写真家を目指す人が出てくるかもしれませんね。僕自身も、この授業の影響を受けて、よく写真をふらっと撮りに行くようになりました。

講演会のあと金村先生とお話していると、次の日に新潟市内で写真を撮っていくとのことでした。もしかすると、近い将来、個展などで新潟の街中の風景が、全く新しい観点と切り口で、見られる日がくるかもしれませんね。その日を楽しみにしながら、今回の授業報告を締めくくりたいと思います。

次回は、新潟市古町にある老舗の料亭「行形亭」さんに出向き調査をします。それではまた次回の報告をお楽しみに!!





2010/11/8 資料保存の実際

みなさんこんにちは!今回は、元興寺文化財研究所の金山正子先生を講師に迎えて、「資料保存の実際」についての講義の報告をしたいと思います。金山先生のいらっしゃる元興寺文化財研究所は、昭和36年(1961年)元興寺極楽堂・禅室の解体修理と境内発掘調査の際に発見された約10万点にも及ぶ仏教民俗資料を学際的に調査・整理し、「どのように保存していくか」を研究することから出発しました。その後、現在では“全国各地の多様な文化財を調査・研究する民間唯一の研究所”と発展している研究機関です。

一時限目は、金山先生から「元興寺文化財研究所」についての説明と、実際にどのようなことをしているのか、資料保存の具体的な方法などについての御説明がありました。次の時間は、いよいよ古文書などの資料保存を実際に体験してみるようです。

二時限目は、実際にどのように古文書などの資料を保存しているのか、実習を行いました。今回は、和紙でこよりを作って、メモ帳程度の大きさの紙を資料に見立てて、綴じるという作業を金山先生のご指導のもと行います。和紙でこよりを作って古文書などを綴じる作業は、資料保存のなかでは基本的な方法らしく、先生のいらっしゃる文化財研究所に、新しく入ってきた若い人は、まずこのこよりを作ることから始まるそうです。一日に何十本も作るそうですよ。

この細長い和紙でこよりを作っていきます。金山先生がするようにこよりを作っていくんですが、これがまた実際にやってみると難しい。

金山先生はとても器用にこより結っていきます。

学生さんもなかなか器用でとても上手にこよりを仕上げました。一方、原田先生方は悪戦苦闘した模様です。

次に、紙に穴を開ける作業です。金槌ときりを使って、こよりが通る程度の穴を開けていきます。

なかなか様になってますね!穴を開けたら次はこよりを通して、さらに結っていきます。

最後に結んで、余分なこよりの部分を切って完成です!!

学生さんたちは初めてにも関わらず、なかなかうまく作れたみたいですね。

最後は、その他にどのような資料保存の方法があるのかを、実際に使っている道具と一緒に、教えていただきました。特殊な素材でできた紙を資料の大きさに合わせて保存箱を作ったり、消しゴムを細かくしたもので、資料のクリーニングをする方法などを紹介していただきました。下の写真は実際に消しゴムを細かくすりおろしたものを使って資料のクリーニングを学生さんがしている様子です。

この他にも、資料に使われているインクの成分を調べるため(どのくらいそのインクがもつのかを把握するため)に、リトマス試験紙のようなものも使って、インクの酸性度を測ったりもするそうです。

最後に金山先生は「世界のなかで見ても、古い文献や資料が多く残っているのは日本だけなんですよ」ということを教えてくださいました。世界に誇れるほど残っている日本の文献、資料は、今回教えていただいた保存方法によって、現在にまで残っているんですね。学生さんたちは、自分たちが大学で扱っている文献、資料がどのように、保存され、またこの先も大切に残されていくのかを知ることができ、たいへん貴重な時間を過ごすことができたのではないでしょうか。

次回は、日本の誇る有名な写真家、金村修先生を講師に招き、「写真とは何か?」の活動を報告をしたいと思います。では、今日はこの辺で失礼します!!

2010/10/16 映像文化民俗学会in佐渡

みなさんこんにちは!TAの大宮司です。

今回は、佐渡で10月15日~17日に開かれた「映像文化民俗学会」の報告をしたいと思います。

土曜日の朝、ジェットフォイル新潟港を出発。天気は良く、一時間ほどで佐渡の両津港に到着しました。

ここが、学会が開かれている佐渡島総合開発センターです。

会場に入ると、すでに学生さんは持ってきたカメラをセットし、準備は万端です。

大会二日目は、「映像から見た新潟、佐渡の生活と文化」と題して、映画の上映会が開かれました。古いものでは、1919年に撮影された映像もありました!時代の古い作品は、音声がなく、白黒映像であるにも関わらず、まるでそこに映っている人たちの息遣いまで聞こえてくるような映像で、たいへん興味深く、見入ってしまうこともありました。

特に私が印象に残ったのは、「たらい舟とノリ」(日経映画社、1966年)と「佐渡の車田植」(両津市教育委員会・民族文化と映像研究所、1981年)いう作品です。どちらも、当時佐渡に住んでいた人々の生活と文化を映像から知ることができ、自分がその時代にタイムスリップしたような感覚になりました。

参加している学生さんは、DVDディスクを取り換えたり、映像を映す機器を調節したりと、精力的に学会に参加していました。

機械の苦手な私では到底できなさそうなことを、意図も簡単にこなす姿には、頼もしさすら感じます。


映画上映のあとは、「佐渡、新潟の映像と文化の記憶」と題し、シンポジウムが行われました。司会は原田健一先生です。

まず、敬和学園大学の神田より子先生からのご講演がありました。今回上映された映像に関して、様々な問題提起がありました。

その後、三人のパネラーの先生方からのご報告、映画を見てのご意見等があり、会場全体を含めた熱い議論が交わされました。

予定の時間を過ぎてしまうほど、多くの意見が提出され、活発な議論が行われています。

このシンポジウムの様子を、学生さんはばっちりカメラにおさめていました。

なかなか様になってますね!本当に今日は一日、お疲れさまでした。

シンポジウムで語りきれなかったことは、お楽しみの懇親会に持ち越しになりました。

残念ながら、私はこの後の懇親会に参加できませんでした。しかし、学生さんは、この日も佐渡に泊まって大会最終日にも参加するようです!

きっと色々な先生方のお話を聞いて、多くのことを学び、楽しい夜を過ごしてくれていることと思います!

今回、私は一日しか学会に参加できませんでしたが、貴重な映像資料から佐渡、新潟の文化に触れることができ、たいへん有意義な時間を過ごすことができました。映像というテクストをいかに読み解くか。「地域映像アーカイブ」は、まだまだ新しい研究分野ですが、今回の学会を通じて、これからどんどん発展していく研究分野ではないかと感じました。

大会の全日程の報告ができず、たいへん残念ですが、今日はこの辺で「映像文化民俗学会in佐渡」の報告を終わりたいと思います。

次回の授業まで少し時間が空きますが、また新たな活動があり次第、報告をしたいと思います!長々と書いてしまいましたが、ここまで読んでいただきありがとうございます!それでは失礼します!



2010/10/13 第二回目授業報告

こんにちは!TAの大宮司です。

第二回目の授業は、今週の土曜日に佐渡で開かれる「映像文化民俗学会」についてのガイダンスがありました。

新潟は、昔から海上交通の要として機能してきました。日本海と太平洋をつなぐポイントでもあり、西日本からの海上流通のうえでも、新潟は重要な港の一つでした。そのため、日本各地から様々な文化が入り込み、豊かな文化を形作ってきています。

その中でも、佐渡は村ごとに民俗も文化も違います。さらに鉱山業も発展していたため、経済的に豊かで、非常に特殊な文化が発達してきました。

その佐渡の文化を、「映像」から考えよう、というのが今回の学会の目的です。

大会日程は金曜日から日曜日までの三日間あります。私は残念ながら土曜日しか行けませんが、参加する学生さんは、三日間佐渡に泊まって全日程に参加すると、やる気満々です!

原田先生からお借りした大きなカメラをかついで、ぜひ佐渡の文化を肌で感じてきてほしいと思います。

それでは、次回はいよいよ本授業の一大イベントでもある「映像文化民俗学会in佐渡」の報告を、私も実際に現地に行き、報告したいと思います!


2010/10/6 第一回目授業報告

はじめまして。今期この授業のTAをすることになりました、大宮司(だいぐうじ)と申します。

それでは早速、第一回目の授業を報告したいと思います。

第一回目は、主に授業内容の説明が原田先生からありました。

 映像アーカイブとは、一体何なのか。この授業ではどんなことをするのかというお話があり、今後の日程調整等を行いました。

それでは簡単に、この授業の概要を説明しましょう!

「映像アーカイブ」では、地域にねむる写真や動画などの映像や、さまざまな音源を発掘し、デジタル化してアーカイブ化するという作業を行います。「アーカイブ」とは、簡単にいうと、「記録や資料をひとまとめにして保存すること」や「そのようにしてまとめられた資料群のこと」、さらには「その保存場所や保存機関のこと」を表します。一見すると、「アーカイブ」とは過去の映像を大切に保存するだけのように考えられてしまいますが、必ずしもそれだけではありません。日常生活に散在しながら、隠れてしまっている映像を再発見することで、自分たちの生活や文化を見直し、新たな感覚や感情を地域のなかで再創造する試みでもあるのです。

この授業では、地域映像アーカイブの考え方について理論的に学ぶだけではなく、展覧・上映シンポジウムで広報する作業もおこないます。また、写真や動画などの発掘調査の仕方、整理保存の方法を学び、実際に現地で調査もします。さらに、音などの録音の仕方を学び、ネットでの公開などの作業をするなど総合的に理論と実践の両方を体験的に学習します。

今日のガイダンスのなかでも、原田先生から「実際にその映像が撮られた現場、そして、その映像が保存されている現場に行くことが大事」というお話がありました。10月16日(土)には、佐渡で開かれる「地域映像アーカイブ2010 日本映像民俗学の会・佐渡大会」に授業の一貫として参加してきます。

大学の授業で佐渡まで行くということは、めったにないであろう貴重な体験だと思います。しかし、残念ながらまだ受講者が一名しかおらず、もっとたくさんの方に受講していただきたいなと感じます。

「映像アーカイブ」はまだまだ新しい研究分野です。みなさんも地域文化を新しい観点からプロデュースする試みに、参加してみませんか?多くの方の受講をお待ちしています!!

では今日はこの辺で失礼します。来週の更新をお楽しみに!!




2010/3/26 地域文化論(映像アーカイブ)

サイトを公開いたしました。
新年度からレポートを掲載していく予定です。

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