平成23年度_表現プロジェクト演習(映像アーカイブ)
2011/11/20 映像アーカイブ 第十三回、第十四回、第十五回
こんにちは。TAの張です。
本日の講義も新津にある北方文化博物館にて行われました。
前回は、「伊東家 明治の絵葉書展」のために、実際にギャラリーに出展する展示物に触れ、考え、実践をしてきたが、
今回の講義では、それらの絵葉書をデータ化し、アーカイブスを作っていきます。
北方文化博物館には原物があり、新潟大学ではそのデータ化したアーカイブスをもつことで、全国のどこからでも使用或いは閲覧できるようにしていくのです。
映像のアーカイブについて、これまでに講義で学習してきたことを思い出しながら、自分らで記録し、考えていく大切な実践講義です。
今日も原田先生のほか、前回お世話になったメディアプロデューサーの石井さんにお話等を伺いながら、授業が進められていきました。
そして、まず最初に準備段階に入ります。
そして、絵葉書の各ページをカメラで撮影したあと、絵葉書を全部取り出し、一枚一枚の記録を残していくのです。
この作業をすることによって、のちほど、絵葉書の順番が混乱したときに、カメラに収められた写真をみて順番をあわせられるので、どれもが大切な作業になるのです。
石井さんに撮り方の見本をみせてもらい、一人一冊撮影していきます。ここで大切なのは、途中で人が代わると、撮り方が異なってくるため、一人が一冊 というのが理想になってくるわけです。
そして、石井さんによる一冊目の撮影が終わったところで、講義生も実際に実際に撮ってみます。
時間が無駄にならないように、一人撮影し、ほかの講義生は別の作業に移ります。
それは、撮影が終わったアルバムから絵葉書一枚一枚を取り出し、記録を残すことです。
ここで、大切なのは、大事な資料を傷つけないよう最大の注意を払うことです。
絵葉書の取り出し方についても石井さんが丁寧にご指導してくださいました。
絵葉書の取り出し方を習い、全部取り出したところで、カードに記録していきます。
カードの内容は主に、絵葉書のタイトル、資料の種類、素材、台紙、サイズ、文字書込、書込方法、劣化状況、などです。
こうした作業を繰り返していきます。
途中でお昼休みに入り、石井さんの提案で展示中のギャラリーを回ることにしました。
自分たちの手も加わった展示会に参加できることは幸せなことです。
製作者から閲覧者に回ることで、新たに感じる取れることがあるかもしません。
自分たちが手がけた展示会を見て回り、改めて感動している様子でした。
途中で、ほかの観客に作品について説明をしてあげる場面もみられました。
そして、午後の作業に入るわけですが、午後も午前中と同様に、記録カードを作っていきます。
一つのアルバムにはなんと120枚の絵葉書があります。
どれもが今にはないような独特な絵や写真が描かれ、本当に素敵です。
過去の殆どの方は字がうまく書かれてあって、品が漂いますが、これには石井先生は「過去は習字を習う人が多かった」とのことでした。
そして、記録カードを終えた絵葉書に関しては、次の作業が残っているのです。
それは、スキャナーを通し、データ保存していくのです。
作業の順序に関しては、原田先生が教えてくださいました。
こんな具合で、作業が進められ、アーカイブスを作成していくわけです。
今となっては、地域に埋れている身近な文化遺産をこのように再発掘、再発見、再評価をする今回の取り組みは、今後の研究者のためにも一助となることは確かです。
そして、なによりもこの貴重な資料に触れ合い、色々な作業の実践、データベース化する一つ一つの課程はこの講義でしか学ぶことができないことなのです。
また、資料との触れ合いを通じて、色々考えさせられ、気付かされたのではないかと思います。
今日の作業は途中までとなりましたが、明日、明後日の2日間も同様な作業をし、3冊分のアルバムのデータ化を行っていくのです。こんなにも資料を大切に保管し、残してくれた6代伊東文吉氏の夫人である真砂さんのおかげですね。
2011/11/17 映像アーカイブ 第十回、第十一回、第十二回
こんにちは。TAの張です。
本日の講義は、東海大学文学部の水島久光先生をお招きして、3コマ分の大切なお話をされました。
それでは、1コマごとに内容説明していきます。
まず、1コマ目に、「夕張」と映像アーカイブ実践 についての講義でした。
夕張市、北海道の中央部に位置し、かつては石狩炭田の中心都市として栄え、夕張メロンの産地として知られているが、2006年に深刻な財政難のあおりを受け、2007年3月をもって財政再建団体に指定され、事実上財政破綻した都市であります。
水島先生はそんな夕張の映像資産について興味をもちられ、石炭博物館所蔵映像(なんとVSH500本)をデジタル化し、炭都夕張の映像について考えられたそうです。いま、そんな夕張についていろんな分野の研究者が集まっているらしい。
そして、実際、デジタル化されたものを講義で観ることができました。
以上が、夕張市についてご説明されるときの様子です。
一本目のビデオは昭和58年の「地底の葬列」というものです。
これは、炭低で働く当時の方の様子が鮮明に再現されたたが、かなりシビアでリアルなものでした。
そして、全く違うものになりますが、1953年の「炭都夕張」という街の宣伝ものもありました。
二つを比較してみると、ネガティブな映像とポジティブな映像という全く違う設定ものでありました。
これほど異なる映像もなかなか興味深いところがありました。
そして、休憩を挟んで、2コマ目では、引き続き映像を各自で考えながら観ていきます。
三本目は1983年の「飛翔夕張」という歴史を紹介するものでした。
夕張という地域から映像アーカイブとの関係から何が学べるか考えながら映像を観ていきました。
そして、映像を介して、地域が記憶を取り戻していきます。
では、過去映像にあった場所は現在ではどのようになっているのかについて考えたとき、東海大学文学部の学生たちは実際に撮影し、映像におさめられていました。
シーンごとに編集を繰り返し、過去と現在の映像を比較していきます。
それが、次の映像「2010年の夕張」というものを作成することにつながったそうです。
実際に、ゆうばり国際ファンタスティック映画祭で上映されたそうですが、なかなかこうした映像の比較をすることがないので、とても興味深かったです。
現在の夕張を撮るということもアーカイブ化されていくことにつながるそうです。
3コマ目では、以上の映像以外にも「ユーパロの谷はわがふるさと」や「夕張はいま・・・消え続けるまち、生き続けるもの」などいろいろな映像を紹介されました。
その後、先生による講義のまとめ、そして、映像アーカイブとはいったい何か、夕張映像を用いて説明されていましたが、講義生たちも真剣に、なるほどといった様子で、授業に臨んでいました。
非常に興味深いものがあり、考えさせられる講義になったのではないかと思います。
本当に、ありがとうございました。
次回は、また博物館での実践講義になります。
お楽しみに。
2011/10/31 映像アーカイブ 第二回、第三回、第四回、第五回
みなさん、こんにちは。TAの張です。
第2回目の映像アーカイブ授業では、北方文化博物館で研修を受けて参りました。
朝、9時に現地に集合し、17時まで実質7時間の長丁場となりました。
研修内容は、11月3日~29日に展示される予定である「伊藤家明治の絵葉書展」に向け、明治時代のパーソナルコミュニケーションである絵葉書文化の世界にて、
映像アーカイブを学び感じとろうとしたものです。
というのは、昨年、北方文化博物館において六代伊藤文吉夫人真砂(まさご)が保管していた絵葉書群1200点が発見され、これらは実際に使用された実逓便であり、真砂の実家・村山家(柏崎市)や伊藤家の親戚・斎藤家(新潟市)との交流を示し、また当時の郵便事情を知る上で貴重な資料となるのです。今回は、発見されたうちから180点を選び、屋根裏ギャラリーにて公開する予定のようです。
それでは、さっそく係りの方に屋根裏ギャラリーに案内してもらい、プロデューサーの石井さんより、絵葉書について色々と説明をして下さいました。
真剣に耳を傾ける受講生たち。明治の絵葉書のきれいさに驚いている様子でした。
原田先生が先日フランスのパリに出張された際に、持ち帰られたパリの昔の絵葉書もあり、そちらも今回の明治ものと合わせて展示する予定のようです。
さて、続きましては、実際の作業に取り掛かります。
今回の受講生たちに任された作業は大きく分けて2つありました。
一つ目は、写真立てを組立、絵葉書を入れ、天井からつりさげる作業です。
もう一つは、絵葉書ポスターの壁がけ作業です。
それでは、実際にどんなお仕事内容か見てみましょう。
まず、写真立ての組立ですが、男女で役割分担をきめ、女性は写真立てのネジ部分をつけていく作業で、男性はテクスをつけていく作業になります。
原田先生と北村先生にもお手伝いして頂き、作業後のものはこんな感じになります。
取り付け作業が終わったあとは、実際に天井の柱にかける作業に移りますが、ここで一つ問題となったのが、絵葉書は42枚あるのに対して、柱に吊下げられるのは、そのうちの32枚しかありません。てことは、10枚省かないといけません。
絵葉書の配色、ジャンル、風景等を考慮にいれながら削っていかなければなりません。受講生たちは頭を悩ませ、時間かけて真剣に考えていきました。
ここで大事となるのは、見る側の気持ちになることです!
どんな配置が見る側にとって見やすく、気持ちが入りやすいのかなど、先生にアドバイスをして頂きながら、試行錯誤を経て、何と2時間もとりかかりました。
みんなで何度も話し合った結果、「女性、風景、お正月、戦争、写真、絵」と大まかなジャンル分けをしたあと、縦と横の長さ等の微調整を行い、最終的なできあがりはこんな感じになりました。
本当にきれいですね。プロデューサーの石井さんにもお褒めの言葉を頂きました。
お昼休みを経て、次に取りかかった作業は絵葉書ポスターの壁かけです。
ただ単にポスターをかけるだけの簡単作業ではありません。
こちらもポスターの配色、内容、位置等などに配慮を配りながら、試行錯誤していかなければならないのです。
先生の指摘とアドバイスに耳を傾け、再度話合い、測りながら微調整していきます。
そして、完成は大体こんな感じになりました。
配置等に気を配りながら、入れ替えたりするだけでこんなに違うんですね。
こちらの方が最初と比べてずっとしっくりきます。
受講生たちも頷き、笑顔を浮かべていました。
北方文化博物館での研修は残り2回続きますが、先生より知識を与えられるだけではなく、実際に自分たちで考え、作業していく楽しさが身にしみてわかったかと思います。
次回も楽しみですね。それでは、今日はこの辺で。
2011/10/5 映像アーカイブ 第一回
はじめまして、この授業のTAを担当することになりました、張と申します。
今日は、第一回目の授業があり、先生より授業の内容説明がありました。
今回は聴講生が3名しかいなかったのですが、皆さん、映像に興味をもっていて、真剣に耳を傾けていました。
映像アーカイブとはなにか。これまで私たちの人生の節目に色々と写真やビデオ等をおさめてきました。
しかし、これらは一見私たち個人的なものだと思われがちだが、実は地域または共同体の特色でもあるのです。
そういった地域にねむる写真や映像をデジタル化してアーカイブ化するということが映像アーカイブです。
これは100年ほど前の写真です。写真に映っている人々はとっくに亡くなられたが、このように私たちにメッセージを残すために形のあるものにおさめているのです。写真、または映像等は、時代を越え、形となるものとして残されるのです。そういった中で、写真と映像の役割重要性について再思考する必要があるのでは?
この授業では、地域映像アーカイブの考え方について理論的に学ぶだけではなく、展覧・上映シンポジウムで広報する作業もおこないます。また、写真や動画な どの発掘調査の仕方、整理保存の方法を学び、実際に現地で調査もします。さらに、音などの録音の仕方を学び、ネットでの公開などの作業をするなど総合的に 理論と実践の両方を体験的に学習します。
次回の講義は北方文化博物館に行き、見学体験をして頂きます。
それでは、今日はこの辺で失礼致します。