平成23年度_表現プロジェクト演習(同人誌制作)
2012/2/6 同人誌・最終回「完成/天然鴨」
こんにちは。TA(授業補助者)の佐藤です。
新潟の雪が尋常じゃないですね………今日学校にくるとき、豪雪地帯には似合わない、イタリア人張りのダンディーな人が歩いていました。普通の” ゴム長靴 ”をあそこまでお洒落に魅せるとは、さすがです!!! 猫と戯れるハットを被った紳士殿や、御礼をして颯爽と車で走っていた御老人。雪国新潟、” 格好良い ”おっちゃん達、健在です!!!
新潟っていいですね………
さぁ、授業報告とまいりましょう。
今日は、5時半に印刷屋さんに来て頂きます。その前までに、ほとんど完成している同人誌原本を、編集長を基に最終の最終確認を行っていきます。
続いては、編集長と受講生たちで、内容を最終確認していきます。
皆さん、満足のいった様子です(^^♪
ここで、少し問題が発生してしまいました\(゜ロ\)(/ロ゜)/
ラップトップが少し古いため作業できない箇所がありました。新しいパソコンに交換している間、タイムロスをかせぐために、受講生は教室を飛び出し、パソコン室へ移動!! 今期初めての違う部屋での作業です。
彼らを追いかけます(*^^)v
教室に戻ってみると、何やら『一太郎』の話で盛り上がっています。和やかな様子です。
そして、印刷業者の方がおいでになりました。
細かい内容要求は、主に編集長を通して行いました。(^^ゞドキドキ
最後に連絡先を交換して、無事終了です(^^♪
終始一貫として、先田先生はあまり助言をせず、受講生が自ら要求/要望を伝えていました。この講義を履修した学生たちには、”自習性”、”積極性”、がすっかり養われているようですね(^^♪
業者の方も帰られ、後は完成されたものを待つのみです!!!
つまり……完成です!!!バンザーイ\(^o^)/
印刷された完成版が手元にないため、少し実感はありませんが(笑)、一方で皆さんホッとした様子です。
完成版が手元に来るのが楽しみですね。
今期『表現プロジェクト演習L』の講義はこれで終了です。皆さんお疲れ様でした。この講義を通して、多くの知識を養え、『体験型』の貴重な経験が出来たのではないでしょうか?皆さんにとって、今後の財産になるはずです。
最後に毎回恒例??のカモ鍋パーティーがあります!!! 鴨といっても、天然鴨だそうです!!! 先田先生曰く、天然鴨は良いダシがでて、病み付きになるそうです。このために、受講して頑張ってきた学生もいるのではないでしょうか?(笑)
では、皆さん打ち上げを楽しんでくださーい!! お疲れ様でした(^^♪
2012/1/30 同人誌・第十三回「龍ノオトシ語」
こんにちは。TA(授業補助者)の佐藤です。
新潟の雪が尋常じゃないですね。積雪で狭まった歩道が歩き辛く、学生にとっては通学が悩みの種だと思います。
でも、そんな雪国だからこそ見えてくることもあります。雪で獣道化した歩道では、通行者がすれ違う際、どっちが何処で道を譲るか考えますよね。道を譲るポジションで、その人のセンスもうかがえます(笑)。そして、互いにお辞儀をして、すれ違います。
毎朝、”思いやりのこもった心理戦“が繰り広げられているんですねェ~。そんな観点で、毎朝通学してみれば面白いのではないでしょうか(^^♪
新潟っていいですね………
前書が長くなってしまいましたが……そんな天候でも通学して来た学生には、ご褒美として、新潟大学の講義「表現プロジェクト演習L」が待っています!(^^)! 皆さん、ラッキーですね!
今日の講義は、ほとんど完成している”同人誌原本”の最終確認、及び各部門の編集/Check として、細かく迅速に詰めていきます!!!そして、来週には、ついに印刷屋さんに来てもらいます(^^ゞ ワクワク
まずは、各部門の進行具合と最終確認及び、最終要望を聞いていきました。
編集後記/雑記、イラスト、挿し絵etc…
イラストも目次もこのような感じに仕上がっています↓。んー…素晴らしいセンスですねェー。
イラストをまだ見ていない学生に、先田先生が原画を両手に掲げて見せてくれました(優しいですね)。
先田先生 「ほら。見える?見える?」
受講生たち 「いやいや…その原画、コッチまで回してもらった方が見えるんですけど…」笑
笑笑
と、冷静なツッコミを学生から受けてしまう先田先生。。。
いつもの和やかな光景ですね(笑)
この講義は、世間一般でいう 「先生>学生」 という権威的な構図が全く無く、「先生=学生」、または「先生<学生」(笑)という、互いに尊重し合った、不思議な先生と学生との関係が築かれているのことが最高ですねェ~(^^♪
そして、”文字サイズ”も細かくしっかりと決めます。
タイトルは━ 10ポイント
詩歌は ━9.5ポイント
名前は ━9ポイント
本文は ━8.5ポイント
という具合です。
さらに、”縦書き”にするか”横書き”にするか?
タイトルは 『龍ノオトシ語』 or 『タツノオトシ語』か?
雑誌社さながらの細やかなチェックを入れていきます。皆さんの情熱が詰まった作品を扱っているので、最後まで気を抜かず、妥協は一切しません!!!!!! (^^ゞ
という具合で、今日は詰めて行く作業で終わりました。
来週は、”印刷屋さん”に来て頂くということで、本当に楽しみです(^^♪
受講生のいつもと違った姿を写真におさめられるように、頑張りたいと思います(^^ゞ
この講義の前任者TAであります、張さん曰く、どうやら最後に…”カモ鍋パーティー!!!”があるそうです。YAY!! その情報は定かではないのですが、最後の完成に向けて皆さん、後悔の無いように、且つ楽しみながら頑張って行きましょーーーううう!!!!!!!!!!!! c ya next class 🙂
2012/1/23 同人誌・第十二回「未視感?タツノオトシゴ?」
こんにちは。TAの佐藤です。
今日は、同人誌完成を目前にラストスパートをかけていきます。
まずは、先田先生がいらっしゃる前に、受講生のみで(1)編集雑記の確認、(2)イラストの確認、(3)挿し絵の確認を行っていきます。先生が(”急用のため”)なかなかいらっしゃらないので(笑)、受講生は次々とトピックを変えて各自で進めていきます。
受講生の”自主性”が垣間見れる瞬間ですね。先田先生曰く…「大学講義は教師が”演習”させてはいけない!学生が予習するものです。私は寝てます(笑)。」とのことです。勿論、最後のフレーズは先生のいつもの冗談ですが、先生が講義に遅れてくるのは、学生の自主性を促せる礎になっているのかもしれませんね(笑)。(^^♪ 受講生達は、先生のそんな”作意???”には目もくれず、各自で次々と進行していきます。
そして、今日のメインテーマである「同人誌のタイトルを何にするか?」ということに焦点を当てていきます。
今年の学生が制作した小説は非現実的なモノが多かったので、それに合わせたタイトルが思いつけたら理想ということを掲げてブレインストーミングを行っていきます。
受講生たちからは次々と意見が飛び交います。
「今年も去年のタイトル『WORDSNOW』を引き継ぐのか?」
「”人の輪”を強調しよう!?」
「3号目だから”3”ってことは入れたいよね?」etc……
などなど、知的なものや、言葉をかけたものなど多様な意見が出てきました。
ここで、我ら先田先生が登場しました。ブレインストーミングに拍車がかかっていきます!!!(^^ゞ
先生の助長もあり、ここで何故だか各部門のメンバーのプライド(笑)??をかけて、
同人誌タイトルのアイディア合戦みたいになりました(^^♪
さあートンチの効いたアイディアをくださーい(^^ゞ
●”3”に因んで…第三種接近、熱力学
●地平線に続く物語
●未視へ立つ
に立つ
↓
たつ
↓
タツ(辰年に因んで)…誘導になってしまうので却下(ToT)
●未視との遭遇…ダジャレすぎるため却下…
●未視感 …”感”という漢字が文字全体をつまらないものにしてしまっている。
今のところ一番の候補であったこのタイトルにも、「この言葉に豊富な何かを託すことができるだろうか?」という疑問が上がりました。
●ドラゴン&チルドレン
↓
タツノオトシ語
↓
龍之落語 …ここまでくると無理がある…
etc……
講義も終わりに近づき、今日の時点では「タツノオトシ語」が最終候補として残りました。
理由は、「多義的で可愛らしいから」、「色々な意味を含んでおり、読み手をある程度導きながらも、想像力を掻き立たせる」ということこが決め手になりました。
受講生は、様々な視点から多種多様のアイディアをだし、しかし本路線は外れないようにと、素敵で面白いタイトル候補が上がったのではないでしょうか(^^♪
来週も今日を引き継ぎながらも、ほぼ完成予定です。
ラストまで皆さん楽しみながら頑張って行きましょーう!!!!!!♪
2012/1/17 同人誌・第十一回「徹底的に自己相対化」
明けましておめでとうございます。TAの佐藤です。
「辰年」に因んで2012年は威勢の良い年になりますように!!!
さて、今日は新年一発目の講義ですが、同人誌”完成”を今月末までに掲げて迅速に進めていきます。
最初は各部門のチームの現在の進行具合の確認です。小説部門(個人小説&リレー小説)、詩部門、イラスト係、構成係も順調に進んでいるようです。表紙については、昨年までに作られてた先輩方の素敵な作品を参考にしつつ、「今年はもう少し今までとは違った斬新なデザインでいきましょう!」と先田先生から注文がとびました。
表現プロジェクト演習Lの受講生は感性が優れている人達の集まりなので、昨年までの同人誌に「負けず劣らず」きっと素敵な表紙を完成させてくれるでしょう(^^♪
進行状況、表紙のイラストの確認も終わり、いつものように受講生が制作してきた「小説・短歌」を発表していきす。
・最初は、男子学生による短編小説の発表です。
作品は、男の子と本の関係から展開していく物語で、結末がどのようになるのかワクワクさせられます。
読み終わった後は、いつものように他の受講生から指摘や助言を受けます。
受講生からは、「一つの文章に句読点を増やすこと」や「物語の前後で矛盾を無くす」などの助言があがりました。
先田先生からのご指摘は、修飾語の使い方と言葉の表現ニュアンスに焦点があたりました。
そして、物語内容についてもいくつかアドバイスがありました。
①物語のコントラストを際立たせるのなら、その装置をしっかりと活用すること。
②因果関係をしっかりとすること。
また、物語の結末もその内容にあっているものなのかについて、ご指摘がありました。
例えば、「この物語の文脈に対して、ラストは選択の余地を残しておくべきものなのか?」
「物語に登場する”(中毒性のある)本”というものが、主人公に対してポジティブなも
のに成り得るのか?」ということです。
これらのご指摘から、小説とは書きながら文章に寄り添って展開していくものだということが分かります。
また、作者が想定していた結末とは違うものにも成り得るモノだということが分かりますねェ~。まさに、小説は”生き物“と言ったところでしょうか……
・続いては、男子学生による短歌の発表です。
発表者は、各月ごとに短歌を一つずつ制作してきました。
現代的な表現や、言葉の使い方から制作者が楽しみながら作品を作ってきたことが伝わってきます。
制作者の発表後、いつもは軽快に意見が飛び交う受講生も、”短歌”という少し難しい題材に困惑気味です。(-。-)y-゜゜゜
作品が素晴らしすぎて、指摘する箇所を見つけ出すのに、いつもより時間がかかったのかもしれませんね(^^♪
先田先生からは、賞賛を受ける歌もあれば、指摘を受ける歌もありました。
ある歌のご指摘内容としては「単なる言葉遊びの傾向があり、うったえるチカラが弱い」というものもありました。
んー…厳しいですね。しかしながら、この厳しさが最高の作品を完成させることへの礎になっています!!! そして、先生と受講生の信頼関係が垣間見れる瞬間でもありますぅ(^^♪
今日の講義の最後には、先田先生から小説を書く上で頻繁に利用する”比喩表現”についてお話がありました。
ある実体を描写するときは、「比喩的でなく確信を持って表現すること」と「徹底的に自己相対化していくこと」ということでした。
また、比喩表現の骨頂者として、泉 鏡花(いずみ きょうか)と坂口 安吾(さかぐち あんご)が挙げられていました。坂口安吾については、我ら新潟県出身として自ずと知られた人物ですよね!
そして、比喩表現として例えば……
「一般には”人間”を表現するものとして、”鬼、蝶、バケモノなど”が比喩として使われるが、その逆で”鬼、蝶、バケモノなど”を表すのに”人間”を比喩として使ってしまう」など、他のモノから実体を見出していくという方法も教えて頂きました。”人間”が主体になく、”人間”が絶対的な位置にいないという所が面白いですね!
今日の講義は、またさらに小説の奥深さを学べたものになりました。先田先生曰く、「小説とは浅いところで知的に遊ぶもの」だそうです。現実世界では視覚的に見えないところを、文字の羅列によって表現し、見る/見せるという小説は、現代アートに似ている部分もありますね。
では、同人誌完成に向けて皆さん次回も頑張って行きましょう!(^^ゞ
2011/12/19 第十回 「馴れ合いと裏切り合いの狭間で」
こんにちは。TAの佐藤です。
今日は、金正日総書記死去というニュースが飛び込んで来ました。果たして、今後の極東アジア情勢はどのようになるのでしょうか……
さて、そんな世の中でも、新潟大学の学生達の学ぶ姿勢は変わりません!
今日は、二人の学生が、各自制作してきた「詩」を発表しました。
●最初は女子学生の発表です。
彼女は、4つ「詩」を制作してきました。
発表作品の根底にある主なテーマは『矛盾・葛藤・ジレンマ』であると見受けられました(間違っていたらスミマセン)。彼女の詩にかける”情熱”が、とても伝わってきます。教室の寒さを忘れて、発表者と受講生の討論は徐々に白熱してきます。
○
一つ目は、「ギリシア神話」から着想を得て制作したという詩です。
作品は2回読みます。その後に、受講生や先生から指摘や質問、時には批判を受けるという授業のスタンスは変わりません。
早速、受講生から表現について細かい指摘がありました。
皆さん、文章を非常に読み込んでいます。受講者は自分の中で一度文章を消化してから、やはり気になる箇所にはチェックを入れて、「こう表現した方が良いのでは?」と意見を述べていきます。
○
二つ目の詩の発表です。
制作者は、「現実感をなくしたい!」という思いから旧仮名使いで作品を仕上げました。
ここで、先田先生からご指摘がありました。
①「旧仮名」を使う場合は、すべての末尾を統一すること。
②もし、確信犯的に統一しないスタイルで書くなら、「読み手」がその意図に気づくような内容でなければならいということ。
HOWEVER……
ここが文学の奥が深く、難しいところです。「詩(文学)」とは、『現実と非現実を行ったり来たりするもの』だということです。つまり、「読み手」とある程度のこと(言葉や文字etc…)を共有しつつ、それでも捉えきれないこと/表現できないことを、言わば社会批判の一環として、文学ならではの表現方法を使い表すということです。しかし、独りよがりすぎた表現ではダメ…逸脱しすぎた表現でもダメ……
両極から見る目を養う必要があるんですねェ~。んんーーー難しいですね。。。
先田先生の方からは、「現実と非現実を行ったり来たりすることが詩(文学)を扱う者の使命である」という、素敵なお言葉を頂きました。
○
三つ目の詩の発表です。討論の方も盛り上がってきました。
制作者の『「擬人感」を出したい』という思いが詰まった作品になっています。詩の中では、”明るさ”というものが際立っています。
この作品にも受講生から適切な指摘がはいりました。この講義を通して受講生たちには質の高い”批判力”が、気づかぬ内に養われているようです。クラスメートの作品を批判することは勇気のいることです。しかし、無暗に相手の考えを全肯定しているだけでは互いの向上には繋がりません。受講生たちからは、相手の作品/作風を尊重したことを前提に議論が交わされていることが伝わってきます。
これこそが、「本当の」ディベートであって、相手を批判することの真意なんだと感心させられます。首相がコロコロ代わる世襲制が凝縮されたような何処かの国の政治家に見せたいものですね。
話は戻って、
受講生からのアドバイスを、少し素直に受け止めすぎた発表者に対して、先田先生から「自分を貫け!」という愛情のこもった喝!?が送られていました。笑
そして、先生が徐に話を始めました。受講生は真剣な眼差しで先生の言葉に耳を傾けます。
先田先生:「詩というものはね・・・・・・」
…チリリン♪ チリリン♪
突然、何かが教室中に鳴り響きました。
先田先生:「おっと。これは出ないと。」
先生の携帯電話に緊急の連絡が入ったらしく、教室から出て行ってしまいました。
受講生一同:「えええェェェーーーーーーー!!!笑笑笑」
結局、大事な所を聞きそびれたものの、意識の高い受講生たちは、先生が少し不在の間、討論を続行。討論が白熱しすぎて結局、先生が戻られた頃には違う話題になっており、先ほどの続きは分からず仕舞いでした。(笑)しかし、この講義を受講している学生たちは、先生から一概に答えを教えて頂くより、各々で考え、答えを導き出す方が好きみたいです。(^^♪
○
四つ目の詩の発表です。
この作品に対して、先田先生のアドバイスは次の2つです。
①言葉を”私有”し過ぎてはいけない。第三者にもある程度分かる表現でなければなりません。
②”言葉を飼い馴らすこと”。他人の言葉を用いる場合でも、巧妙にその言葉を利用するということです。
○
●続いては二人目の女子学生の発表です。
日常描写のある、非常に温かみのある作風の詩になっています。
言葉と奮闘して詩を仕上げてきたことが分かります。彼女からも、詩にかける強い思いが感じられます。
先田先生からのアドバイスは、登場人物の視線の交差の仕方と内容の純度をもう少し上げるということでした。
≪今日の先田先生の言葉・まとめ≫
◎「詩人はマジシャン」
……詩を扱う者は、言葉を巧みに操り表現するということです。
◎「馴れ合いと裏切り合い」
……読み手に受け入れられると同時に、ショックをも与えるということです。
今年度の授業は今日で終わりです。皆さん冬休み中も作品の制作完成に向けて頑張って下さい。
では、2012年【辰年】にまたお会いしましょう!(^^ゞ
2011/12/12 同人誌・第九回 「コントラストが大切」
前任者の張さんのピンチヒッターということで、今期最後まで引き継ぎます。
至らぬ点も多々あると思いますが、皆さんに「追いつけ追い越せ」の精神で頑張りますので、温かく見守って頂ければ幸いです
さて今日は、三人の学生が各自制作している小説を発表しました。
授業は、各自が制作した小説を発表し、その内容に対して受講生と先生から指摘や質問を受けるスタンスです。
●最初は、男子学生の発表です。
人物描写や、文学的な比喩、言葉運びには大変驚かされる重厚な内容です。
ここで、受講者から内容について指摘が入りました。
今日一番の”白熱した”討論です。
受講生の文学に対する情熱と、文章を読み解く分析力の素晴らしさを感じます。
何より発表者がクラスメートから愛されていることが、ひしひしと伝わってきますねぇ~。
そして先田先生の方から、受講生に問題です。
「皆さんは、『月が綺麗ですね』は、英語の何のフレーズを日本語に訳したものか知っていますか?」
当然、文学を愛する大半の受講生は知っていました。
答えは…そう「I LOVE YOU」です。
一説によると、夏目漱石が英語の教師をしていた時に、学生に教えた意訳だそうです。
ん~ロマンチックですねぇ~。しかし、現代っ子の我々には、この言葉の思いをどこまで理解できるでしょうか。。。
●続いては、女子学生の発表です。
発表者は、ある程度のキャラクター設定をしておいて、文章を書きながら、登場人物に寄り添って人物描写をしているように見受けられました。
宮崎駿のスタイルと似ていますね(^^♪
先田先生の方からは、「キャラクターの『統一性』」についてご指摘がありました。
「物語の前後を確認し、時には逆算しながら文章を構成していく」というアドバイスです。
題材は、非常にユニークで、ゆっくりと時間が流れているような世界観があります。
受講生からは、物語の根底を揺るがすような、(笑い有りの)鋭い指摘がありました。
しかし、すかさず先田先生から「小説だからOK!これが、小説のおもしろさ。」と賛辞がおくられていました。
≪先田先生からのアドバイス・まとめ≫
今日の講義で、先生からの一貫したアドバイスは次の3つです。
◎人物描写の仕方について注意
…固有名詞を出して人物を形成する際は、「読み手によっては違うイメージを与えてしまう」と意識することです。
例えば、「太宰治」と言われたら、先田先生のイメージは「スネ夫」だそうです。笑
◎意志を持って「漢字」を使うこと
…小説で漢字を使う際は、制作者の明確な理由があること。漢字でなければならない時にだけ、漢字を使うこと。
「漢字」とは、「固定化・定型化」されたものであり、文章の「動きを停止させてしまう」ということです。
◎コントラストを明確にすること
…物語にはリズムが大切です。文章をダラダラと書くのではなく、物語の前後や人物描写にエッジをきかせるということです。
――――――――――
「文字媒体」を扱うことはとても困難ですが、同時にその面白さも今日の講義から学べました。また、受講生たちの日本語のボキャブラリーの多さや、文学にかける思いには本当に驚かされました。
私自身、文字媒体を分析・扱うことは、ド素人ですが、とても楽しく皆さんの発表を聞かせてもらい勉強になりました。
次回も同じように学生たちから、各自制作してきた小説を発表してもらいます。
お楽しみにィ~(というより、楽しみです)(^^♪
2011/11/28 同人誌 第八回
こんにちは。TAの張です。
今日をもって、この講義は半分講義することになりました。
本日の発表者は3人いました。
詩歌の発表者1人、小説の発表者2人です。
詩歌に対する質問、指摘は小説と比べると少なかったのですが、
言葉や表現の細かいチェックはかかせません。
文章を書くにあたり、人それぞれの好みや考えはあるものの、
過剰な説明はいりません。
先生の言葉をお借りすると「稚拙な説明は非文学的になるので、
単文の語りかけでいい」とのことでした。
そして、小説の発表者である一人に対しては、
「自己解説の箇所をもっと膨らまし、事実的に表現するとより効果が出るのではないか」
という提案もありました。
議論を交わしながら、時には談笑も見せ、みんなで思考する場面もありました。
3人目の小説は少し長めとなっていたので、続きは来週となりました。
それでは、また来週。
2011/11/21 同人誌 第七回
こんにちは。TAの張です。
第7回目の講義はいつもと同様のことですが、自分で書いてきた小説を読んでいき、みんなで修正・指摘をしています。
今回の小説は少し長編小説となり、講義が30分間延長して読み終えました。
途中で区切りをいれながら、最初から細かく見ていきます。
句読点等も見逃しません。
「!と?は縦書きの場合は2文字を使う」先生から文章を書く上で基本的だが大切であることの注意があり、発表者も真剣に聞いている様子でした。
本当に基本的なことですが、ちょっとした箇所で書く能力が見抜かれます。
その他に、できるだけ漢字ではなく、ひらがなを使用することも大切であるとの指摘がありました。
説明過剰ではなく、文章をできるだけスピーティーにしなければならない。
ようするに、文章感覚にもうちょっと敏感になることです。
以上の説明を受け、講義生たちもなるほどと納得している様子でした。
先生からのご指摘や教えを肝に銘じて、これからもリレー小説、詩歌等、頑張ってください。
それでは、また来週。
2011/11/14 同人誌 第六回
こんにちは。TAの張です。
同人誌の第六回目は前回に続き、リレー小説の第二話を読みました。
二回目の担当者が小説を紹介し、どんな展開をしていくか講義生たちも食いつくようにに原稿をながめる。
そして、いつものように討論を交わしていきます。
細かいところも鋭い指摘が入り、筆者も思わず納得する様子でした。
しかし、今回の指摘数はこれまでに最も少なかったといえよう。
さがす去年も一度講義に参加しただけあって、小説を書く技術が身についたようですね。
そして、講義生による指摘がなかった箇所について先生のチェックが入り、
本日のリレー小説は終了となります。今後の展開がますます楽しみですね。
続きまして、各人が書いてきた小説の続きを読み込んでいきました。
その続きの発表者は、偶然にも本日のリレー小説の発表者を同じ方です。
題材は戦争物語。亡き友人を想う主人公に思わず感情移入してしまうくらい、
完成度の高い作品であったのではないかと思います。
そして、こちらも講義生たちと先生による細かい指摘を受け、本日の講義は終了となりました。それでは、また来週。
2011/11/7 同人誌 第五回
こんにちは。TAの張です。
同人誌講義も五回目を迎えました。
今回の講義からリレー小説が本格的にスタートしました。
1回目担当者の方が早速原稿を書いてみなさんに配ってくれました。
次の方が書きやすいように気を配り表現をぼやかす部分、想像力を次回以降の方たちに任せる部分など、様々な工夫をされていました。
この講義のメインといっても過言ではないほど、リレー小説は大切な作業であります。
そこで、今までとは違い、みんなで一文ずつチェックしていきます。
先生の「修飾が過剰になると、中身が乏しくなりがちなので、なるべく不要な部分を削除するように」という言葉に頷く講義生たち。
文章のある細かい表現について議論となり、「まず場所と時間をもう一度明確にしたほうがよい」と多くの講義生の指摘に対し、筆者も納得されているようでした。
そして、2回目の担当者を決め、今回の講義はここまでとなりました。
それでは、次回もお楽しみに。