2013年度_表現プロジェクト演習(災害と社会)

2014/1/20 第9回 表現プロジェクト演習R 提案発表会の反省と実際の作業

こんにちは。授業助手の佐藤です。

1月10日はいよいよ最後からひとつ前の授業ということで、1斑は交換ノートを実際に作成してましたし、2班はより良いパンフレットにするためのデザインを詳細に議論していました。




交換ノートを作成する一斑のみなさん

交換ノートを作成する一斑のみなさん





多田先生やデザイナー杉井さんを交えて、パンフレットのデザインを議論する2班のみなさん

多田先生やデザイナー杉井さんを交えて、パンフレットのデザインを議論する2班のみなさん





交換ノートは色紙を手でちぎったり、飲食店さんや生産者さんの顔が見えるように工夫されていました。パンフレットでは前回授業の時以上にホワイトボードが埋まるくらい議論が白熱していました。




交換ノートの表紙。

交換ノートの表紙。





パンフレット試作品。これをより良くしていくための議論が進んでいました。

パンフレット試作品。これをより良くしていくための議論が進んでいました。





また、この授業の報告書を作るという案内も行われ、いよいよ大詰めの雰囲気が出てきました。次回はついに最終回です!

2014/1/20 第8回 表現プロジェクト演習R 提案の策定

こんにちは。授業助手の佐藤です。更新が遅れてしまい申し訳ありません。
今回は昨年12月13日の新潟大学での授業の様子を報告します。

この日は、前回のフィールドワークで収集したご意見やデータを元に1度、提案を練り直す授業が行われました。次回12月22日の生産者さんや飲食店さんにむけた提案のために、1斑はノートの構成をどうしようか、2班はパンフレットの構成をどうしようか、というところに議論の焦点が当たっていました。そこに先生方やデザイナーの杉井さんが入って、少しずつ形になってきました。2班が使っていたホワイトボードは色んな意見が行き交って議論が白熱した様子が伺えますね。

2班のパンフレット作成ミーティング。アイディアが次々に出てきていました!

2班のパンフレット作成ミーティング。アイディアが次々に出てきていました!

1班の交換ノート、試作品。気軽に書き込みやすいように、工夫されています!

1班の交換ノート、試作品。気軽に書き込みやすいように、工夫されています!


22日の提案発表会、私は行けなかったのですが、ここで学生たちはもっと提案をよくするための指摘をいただいたとのことでした。

2013/12/13 表現プロジェクト演習R 12月8日 3回目のフィールドワーク


こんにちは!

表現プロジェクト演習R(災害と社会)、授業助手の佐藤です。

今回は12月8日に行われた、3回目のフィールドワークについて報告します。今回の目的は、1班は交換ノートをより使って貰いやすくするための、2班はパンフレットの内容を充実させるための取材を行うことでした。私は今回主に1班と行動していましたので、そちらの内容が多くなってしまいますがご了承ください。

取材は10時半から以前も訪問したZIKKAさんで始まりました。



ZIKKA、根津さんから取材

ZIKKA、根津さんから取材



この時は1班、2班の混成チームで訪れ、ZIKKAさんでは実際に飛渡地区産の野菜を使った料理を見せていただきました。



さつまいもの煮物、銀杏を使った煮物、五穀米

さつまいもの煮物、銀杏を使った煮物、五穀米





「お母さん」の手作り料理!

「お母さん」の手作り料理!



とっても美味しそうですね。今は冬に入りかけの時期なので、調理担当の「お母さん」たちは根菜などを使った煮物をよく用意されるようです。
食材は季節によって変わるので、「お母さん」たちは季節ごとにアイディアを出しながら調理していくそうです。
どんな料理が出てくるかはその時のお楽しみなので、お客さんもワクワクしながら料理を待てますね!
またZIKKAさんでは最近、店内での野菜直売もはじめたとのこと。美味しい料理を食べたあと、お客さんが買っていってくださるそうで、売れゆきは上々のようでした。



今はかぼちゃや銀杏を販売しているそうです。

今はかぼちゃや銀杏を販売しているそうです。




ZIIKAさんの取材が終わったあとは、混成チームから1班のメンバーだけになって、ほんやら洞さん、いきいき応援団さんへと取材に向かいました。



ほんやら洞さんでの取材

ほんやら洞さんでの取材





今回はじめてお会いした、いきいき応援団さん

今回はじめてお会いした、いきいき応援団の山田さんに取材



今回いきいき応援団さんにははじめてお会いしました。いきいき応援団さんは障害者支援施設の一角で、高齢者の向けのお弁当などを作っておられるNPO法人です。地域で作られた野菜を使った、バランスの良い食事を提供されています。こちらでも取材をさせていただきつつ、交換ノートについてのご意見を伺いました。交換ノートは良いアイディアであるとお褒め頂きましたが、やっぱり手間がかかるので継続が問題になるのでは、というご指摘がありました。

 

その後は交換ノートに貼り付ける飛渡の風景を撮るために移動。うっすら雪をかぶった田んぼや分校がなんとも風情がありました。



山肌や田んぼに雪がかかってました!



 



今はボランティアさんが宿泊もできるように改装された旧飛渡分校

今はボランティアさんが宿泊もできるように改装された旧飛渡分校



アグリコープ新水にて今回調査に同行していただいた、デザイナーの杉井さんを交えて交換ノートについての検討会が行なわれました。

 

取材結果やご指摘を踏まえて、交換ノートをどうデザインするのか?議論が白熱しましていました。
結局どうデザインするかは、次回の授業に持ち越されました。
次回は、いよいよ交換ノートやパンフレットの完成形を決める議論がされます。
お楽しみに!

文責:佐藤孝輔

2013/11/22 表現プロジェクト演習R 第7回 提案の改善と次回フィールドワークに向けた計画づくり

11月22日は前回フィールドワークを受けてからの「提案の改善」と「次回のフィールドワークに向けた計画づくり」が行なわれました。

まずは多田先生から、パンフレットや交換ノートに使用する飛渡地区の観光情報や生産者さんの写真等が紹介されました。これでみんなのイメージが少し具体的になったのではないでしょうか?

飛渡地区の名勝「田毎の月」の写真‐パンフレット掲載用‐

飛渡地区の名勝「田毎の月」の写真‐パンフレット掲載用‐

次にフィールドワークで得られた十日町のみなさんからの意見を共有しました。前回、生産者さんや地域おこし協力隊さんからのご意見は全員で聞くことができたのですが、2つの飲食店さんからのご意見は別々に聞いたので、まずはそれをシェアしたわけです。こういう細かいコミュニケーションが大事です!その後は提案をもっと良いものにしようという話し合いが行なわれました。どちらの班も真剣!ガンバレガンバレヽ(・∀・)ノ

その後は、今までの提案をどのように改善するのかをそれぞれ発表してくれました。

1班は、交換ノートに書き込む作業をもっと手間がかからないようにしたり、もっと親しみをもって取り扱ってもらえるように手作り感を出していったりするようです!さらに、交換ノートを成功させるためにまずは少数の店舗と生産者さん、地域おこし協力隊の方にお試しで使ってもらいながら、実践の中でより良いものにしていこうと考えているそうです。慎重かつ計画的な姿勢、素晴らしいですね!

2班は、生産者さんや地域おこし協力隊さんから、もっと飛渡地区をPRする内容にして欲しいという意見を頂いたので、パンフレットに観光情報をもっと入れ込むことにしました。そして、飛渡地区の情報をもっと視覚的にイメージできるように地図を大きく表示することにしたいとのことでした。

話し合いの中で提案が少しずつ具体化していくのは、聞いていてもとても楽しいものです!

次回は12月8日のフィールドワークになります。お楽しみに…

(文責:佐藤)

2013/11/21 表現プロジェクト演習R 第6回 フィールドワーク‐提案発表‐


1116日、十日町市に提案発表に行ってきましたっ!

まずは生産者さん、地域おこし協力隊さんへの発表、ついで飲食店さんに直接訪問しての発表が行なわれました。

1班の発表の中では、実際に作られた生産者‐地域おこし協力隊‐飲食店を結ぶ交換ノートの試作品が紹介されました。交換ノートはただ意見を交換するだけでなく、写真を撮って貼り付けることのできるスペースを作って視覚的にわかりやすくする、シールを用いて良いと思われる提案や指摘には「いいね」を表現できるようにするなどの工夫が取られていました。


飛渡地区のみなさんからは、実際に生産者‐地域おこし協力隊‐飲食店のコミュニケーションがうまくいってないところがあるという意見があり、提案を好意的に受け入れていただきました。また、高齢の生産者さんでは交換ノートに貼り付ける問題も提起されましたが、この写真は生産者と飲食店の間をつなぐ地域おこし協力隊が撮影、印刷、貼り付けをすればいい、ということでその場で問題解決されました。

飲食店でも提案を好意的に受け入れて頂いたものの、シールを貼り付けるのは忙しくて手間になってしまうので、ペンで書ける簡単なマークや文字などで表現できるようにすればいいのではないかという実践的な意見をいただきました。

2班の発表の中でも、試作品のパンフレットが紹介され、こちらも生産者さんや地域お越し協力隊の方から好意的に受け入れていただきました。また、飛渡地区を紹介するパンフレットは以前に作られたことがあったので、そのデータを2班に提供していただけるのとのこと。ラッキーです!さらにお茶請けに出して頂いた「糸瓜を炒めた郷土料理」が美味しく、2班の中でこれをパンフレットに取り上げてはどうかという意見も出ました。無人直売所のレイアウトの変更については、市街地の直売所はその管理をしてくださる店舗の意向を伺わなければ難しいし、生産者さんたちが管理している直売所はすでに冬期の閉鎖期間に入ってしまったそうで、今すぐの実現は難しいのではないかという意見がありました。


飲食店では、パンフレットを十日町市の住民だけでなく市外から来る観光客にも配布してはどうかという意見をいただき、観光客の多くは十日町駅西口から来るのでそちらにおいてもらってはどうかという提案を頂戴しました。

1班、2班ともに提案を好意的に受け入れていただき、ほっと一息というところでしょうか。次回は学校に帰って今回頂いた意見を企画に反映させて行きます!次回も頑張っていきましょう!

(文責:佐藤孝輔)


2013/11/21 表現プロジェクト演習R 第5回「十日町市のみなさんへの提案準備」


118日は十日町の生産者さん、地域おこし協力隊さん、飲食店さんへの提案の試案発表会が行なわれました。実際に十日町のみなさんに発表する前に、1班、2班でどういう提案をするのか発表しあって提案をもっと良いものにしていこう、というわけです。

1班は生産者さん、地域おこし協力隊さん、飲食店さん、消費者の皆さんとのコミュニケーションをもっと円滑にすれば、コミュニケーションの不足の結果生じる問題を解決できるし、様々な立場の人々の意見を取り入れた新しい取り組みができるのではないかと考えたそうです。その結果、彼らは①生産者‐地域おこし協力隊‐飲食店を結ぶ交換ノートの作成、②飛渡地区の情報をもっと知ってもらうためのチラシの作成、③お客様と飲食店、地域おこし協力隊、生産者を結ぶ意見箱の作成を提案してくれました。これらの提案はそれぞれが関係しあっています。①交換ノートで生産者‐地域おこし協力隊‐飲食店のコミュニケーションを活発にしていってこのネットワークの強みを作り、そうした独自の強みをチラシによる広報活動で知ってもらって飛渡に興味を持ってもらう。興味を持った消費者には③意見箱を通じて、生産者‐地域おこし協力隊‐飲食店とコミュニケーションを取ってもらう。1班は、こうしたひとつながりの活動として、交換ノート、チラシ、意見箱の設置を提案してくれたのです。ただし、全てを実施するのは、作業が多くなって現実的には難しそうです。そこで1班は、まずは交換ノートを実現することにしました。

2班はずっと飛渡にいることのできない自分たちにできることは何か、という糸口から提案を検討していき、観光や広報でならお手伝いはできるのではないかと考えたそうです。彼らの提案は①飛渡の情報を市内の人々にPRするパンフレットの作成、②飛渡地区振興会だより「ひとひと」へのアイディア提案を行うこと③無人直売所の売り場レイアウトをより魅力的にするという3つでした。パンフレットには野菜の調理法や生産者の情報、交通アクセス、地域の名所やイベントなどが盛り込むことにしました。

それぞれの試案を発表した後には、次回のフィールドワークで十日町市に行った時にどのように提案を発表するかについて話し合われました。中でも交換ノートやパンフレットは「実際に作った方がどういうものか伝わりやすいのではないか」という意見もあり、試作品が作られることになりました。次回、フィールドワークで十日町の人々に提案がどう受け入れられるのか、作られる試作品がどんなものなのか、楽しみですね!

(文責:佐藤孝輔)

2013/11/6 表現プロジェクト演習R 震災復興と地域づくり 第4回

みなさん、こんにちは!

本講座の授業助手を務めさせていただいている佐藤です。
ここでは10月25日に行われた第4回講義の報告を行います!
ぜひご覧になってくださいね。

今回は10月20日に行われた十日町市のフィールドワークの発表会と、それを元にしたワークショップが行われました。
このブログでは報告していませんが、実はフィールドワークがあったのです。
…ただ、私が参加できませんでしたので、そちらの報告はできませんでした 。・゚・(*ノД`*)・゚・。
ブログをご覧いただいているみなさん、すみません (´Д`;)ヾ
そのかわり、今回はそのフィールドワークの報告会もあったので、簡単にフィールドワークの中身にも触れながら講義の内容について紹介しますね(;^ω^)

今回はまず受講生がフィールドワークで見聞きしたことを発表してくれました。
フィールドワークの時は2つの班に分かれて、それぞれ別々の方々から話を聞いてきたので、まずはその経験を共有しようということですね。




フィールドワークの発表をする青木さんと渡辺さん

フィールドワークの発表をする青木さんと渡辺さん




最初の班は、十日町市の農作物生産者の方々と飲食店の方からお話を伺ったそうです。
飛渡地区の農家さんの特徴は、80歳前後の方を中心に農業をなさっていること、特に夏が忙しいこと、冬には収穫がないので別の仕事が多いことでした。冬は雪深いところなので、なかなか農業だけでは年間を通した仕事になりにくく、結果として専業農家は難しく、兼業になることが多いそうです。
会場となった場所は「アグリコープ新水」さんという農事組合法人の事務所兼作業場でした。
ここで生産者が生産物を持ち込み、地域おこし協力隊の方が袋詰めとシール貼りをして、都会や市内や飲食店に出荷するとのことでした。

販売の場では、いくつか問題点があることが分かりました。
一つは都会で販売する際にその生産物の調理方法を消費者が知らないので、美味しさまで伝わらないということです。たとえば、ゼンマイ。乾燥ゼンマイを戻して、美味しく煮付けるのって意外に難しいですよね。特に都会の方だと知らない方が多いようでその美味しさを感じていただけないこともあるようです。
もう一つは市内向けの野菜があんまり売れずに廃棄処分されることもよくあるようです。もったいないし、せっかく作ったものだから美味しく食べてもらいたいのに残念ですよね。

生産者の皆さんはこうした日常の仕事以外でも、都会で美味しいおコメを使ったおにぎりを配ったり、小学校の児童たちに作ってもらったおコメを販売したりする活動をされているそうです。特に子供たちが作ったおコメは値段が高めなのに、パッケージに収穫の様子を写したためかとてもよく売れたそうです。

こうしたお話を聞いて、青木さんたちは生産者の方々の取り組みの中で、廃棄野菜の問題や新しい顧客の獲得が課題になってくると感じたとのこと。
十日町地域おこし実行委員会の中でも、これらの問題は認識されていたようで、市場での販売をしたり市内学校の給食に飛渡地区の野菜を使えないかと検討しているところだそうです。青木さんたちはさらにパッケージにその野菜の美味しい調理法を書くなどしたらいいのではないかという提案をしてくれました。今後もっと具体的な検討に入るのですが、すでにある程度の課題が見えているようですので、これからの提案が楽しみですね。

場所は移って、商店街の聞き取り調査では、商店街の活力が失われつつあるという話を聞いたそうです。その原因は商店街でのコミュニケーションが失われてしまったこと。昔はお客さんもお店もお互いのことが分かり合うような深いコミュニケーションをしていたのに、最近はそれが無くなっているんじゃないか。そう思った商店街の方が、最近60歳以上のお母さんを店員さんとしたお店を経営されているそうです。そのお店では店員とお客さんではなく、地域のお母さんと来てくれた方という形でコミュニケーションが行われているとのことです。

飲食店でのヒアリングでも感じたそうですが、生産者と消費者の顔の見える関係を作るとか、野菜を使ってくれるレストランとお客さんの人間としての関係を重んじるとか、「人と人との関係」が青木さんたちのグループのキーワードになってくるようでした。

2班は班長の濱田さんが発表を担当。



2班は班長の濱田さんが発表してくれました。

2班は班長の濱田さんが発表してくれました。



2班は無人直売所に行ってその管理店舗の方から話を伺い、その後に地域おこし協力隊の方からお話を伺ったそうです。
無人販売所は元々、生産者の女性たちが対面販売をしていたそうですが、年をとってきたので対面販売が難しくなってしまったので、無人販売になったそうです。でも、対面販売の方が売上も多かったし、農家の女性とお客さんが話をする楽しみもあったとのこと。今後は加工野菜などの販売も考えているそうです。

地域おこし協力隊員の勝倉さんへのヒアリングでは地域おこし協力隊の方の仕事や、今後の展望などを伺ったとのこと。地域おこし協力隊の方も加入している「飛渡 食と農を考える会」では農家から野菜を集め、それを飲食店や直売所に出荷するという仕事を週に4日ほど行っているそうです。今後は新しい販売先を開拓したり、見た目が悪いだけで食べられる野菜を加工販売したいなどの展望をもっているそうでした。

発表終了後は、それぞれの班に分かれて検討会をしました。見てきたお店や取り組みの良いところと悪いところを出していって、良いところを伸ばすためのアイディアや悪いところをなくすためのアイディアをみんなで話し合っていこうということでしたが、なかなか時間内には終わらず、次回までの宿題となりました。

みなさん、素晴らしい発表ありがとうございました。次回も頑張っていきましょう!

(文責:佐藤)

2013/10/16 震災によってあぶり出された問題と池谷集落の復興 第2回講義

みなさん、こんにちは!

表現プロジェクト演習R「災害と社会」講座助手の佐藤です。

ここでは10月11日の本講座の講義を紹介します。

講師は前回もお話いただいた稲垣先生と、十日町市からいらっしゃってくれた多田先生です。

先に稲垣先生から、第1回講義よりも詳しく中越大震災と中越沖地震の概要について教えていただきました。

私が印象深かった指摘は、災害が起こると社会の弱い部分がダメージを受けて、普段から問題があったけど隠れていた部分が明らかになってくるというところです。中越大震災の場合は普段地域の人々が目を背けていた過疎・高齢化の問題が震災によって、より目につくようになり、その対策をしなければならないという共通認識が生まれたそうです。

では、こうした問題に中越大震災で被災された方々はどのように取り組んでいったのでしょうか?

十日町市飛渡地区の池谷集落からいらっしゃってくださった多田先生より教えていただきました。

池谷集落は昭和30年代には37軒211名が住む集落でしたが、過疎・高齢化の進展によって平成16年には6軒13人の限界集落になっていました。
震災後にはこの問題がさらに深刻化し、池谷集落の存続が危ぶまれる事態になりましたが、周辺住民の方々や国際NGO「JEN」の復興への協力の中で過疎・高齢化への挑戦が始まりました。住民やボランティアの人々を中心として発足した「十日町地域おこし実行委員会」では震災からの復興、後継者の育成、耕地山林の維持、日本全体の問題である限界集落/環境/食糧問題への挑戦といった目標が掲げられ、革新的な取り組みが行われていったのです。こうした取り組みの中心になったのは米の直販であり、自分たちが作ったものを喜んで食べてもらえることで、地域の方々も自分たちの仕事に誇りを持って続けていく意欲を得ることができたそうです。その他にも農業体験を盛り込んだエコツアーやブナ林でのヨガ体験、農業インターンの受け入れなど、私自身参加したいと思うような取り組みが多かったことは印象的でした。結果として、移住された方も含めて、現在池谷集落は8世帯19人の集落になったそうです。すごいですね!

今週末の20日にはいよいよ第1回のフィールドワークが始まります。わたしは残念ながら参加できませんが、みなさんのお話を聞いてまたご報告したいと思います。

(文責:佐藤孝輔)




2013/10/7 イントロダクション −中山間地域と震災復興−  

このブログをご覧のみなさま、こんにちは!
こちらは新潟大学人文学部の講座、表現プロジェクト演習R『震災復興と地域づくり』のブログです。
私はこの講座の授業助手(TA)を務めます、佐藤孝輔です。よろしくお願いします。

今回は10月4日に行われた、第1回の講義について報告したいと思います。
今回は第1回ということで、講座の趣旨説明や先生方や受講生たちの自己紹介が行われました。
まずは本学の松井克浩教授より、授業の趣旨・スケジュールが説明されました。






講座の趣旨説明をする松井先生

講座の趣旨説明をする松井先生






次いで本講座の特別講師であり、長岡で震災復興支援に活躍されている稲垣文彦先生より、震災後の旧山古志村や旧川口町(ともに現在は長岡市に併入)、十日町市についてご紹介頂きました。






震災後の中山間地域について語る稲垣先生

震災後の中山間地域について語る稲垣先生






旧山古志村や旧川口町、十日町市は地域の中核都市である長岡市周辺の中山間地域に位置しています。中山間地域とは平地と山の間にある、まとまった平坦な耕作地のない農業地域のことを指しています。耕作しづらい場所ですし、町からも遠いので震災以前から過疎と高齢化が進展していました。
そんなところに中越地震が発生したことによって過疎と高齢化はさらに進展していきました。山に程近い斜面は、地震により各地で土砂崩れを起こし、多くの住宅を倒壊させました。家を失った住民の多くは平地への移住を決断し、故郷を離れていってしまったのです。
一方で、中山間地域には地域の宝物と言える伝統文化や豊かな自然が残っています。こうした価値あるものをこのまま失くしてはならない。震災復興に携わり、このような思いを持った人々が近年都市部から中山間地域への移住を行っているそうです。行政もこれを支援していますが、移住を進めていく中で問題も発生しているようです。最大の問題は移住してきた人たちがそこで生きていくための仕事がないこと。この講座のゴールの一つは、移住してきた人たちがそこで生きていくための仕事について、学生のみずみずしい観点から提案を行うことにあります。

稲垣先生のお話を伺って、私はこの講座に改めて強い関心を持ちました。このような気持ちを持ったのはおそらく私だけではないと思います。
その後、中越震災後の復興について取扱った映像を見た後、受講生の自己紹介が始まりました。皆さんがこの講座にかける思いを語ってくださり、一人一人がそれぞれの意気込みを持って取り組んでおられるように思えました。

次回講義は10月11日、内容は中越地震についてのより本格的な講義と、フィールドワークで訪れる十日町市飛渡地区についての講義です。
もちろん、ブログもアップ致しますので、お楽しみに!

(文責:佐藤孝輔)

  • お知らせ
  • 表現プロジェクト演習の特徴
  • 授業科目
  • 過去の授業科目
  • 新潟大学人文学部GP(2010-2012)
  • GPの概要
  • GP実施計画
  • GP事業とは
ページの先頭へ戻る