2014年度_授業報告_表現プロジェクト演習(映像アーカイブ)

2014/11/25 スキャンニング作業実践授業

今年の映像アーカイブ授業で初めての試みがスキャンニング実践です。アーカイブ映像や写真は、自動的に現れるわけではありません。民家等に眠っているお宝映像を発掘するところからアーカイブ研究は始まります。発掘したものをどのようにしてデータベース化するのか、その大事な工程を一つがスキャンニングです。アナログからデジタルへ移行したことで、貴重な映像や写真がデジタル保存できるようになりました。

スキャンニング作業は地道で根気のいる作業ですが、大事な作業です。ガラス乾板をスキャンで読み込み、また写真をスキャンで取り込んでパソコンの中へと保存していきました。手袋をしながら慎重に傷をつけないように一枚一枚丁寧にスキャンニングをしていきます。スキャンニングはアーカイブ作業の入口みたいなもので、ここをちゃんとしなければこのあとの内容分析ができなくなってしまいます。作業は地味で、退屈なものですが、しかしそれ以上に丁寧な作業が求められます。生徒たちには、作業指導もさることながら、スキャンニングの重要性が説かれていました。DSC_0282DSC_0285DSC_0297DSC_0298DSC_0295DSC_0306DSC_0301

2014/11/25 見てもらえる写真展示のノウハウを学ぶ

DSCN3323 DSCN3324 DSCN3325DSCN3317 DSCN3318 DSCN3319 DSCN3320 表現プロジェクト演習(映像アーカイブ)は写真選別、そして配列と授業が進められてきました。ここまでは実践授業というよりも教科書に書いてるような授業でした。しかし展示作業は教科書にはない、その場にあったノウハウが必要になります。知識も必要ですが、展示する現場においてはむしろ経験値が必要になります。具体的には展示する場所によって、明るさ、暗さ等がちがいます。また昼と夜とではまた写真の見え方もちがいます。さらには展示する高さのちがいによっては写真の見え方も変わります。そうしたトータルな展示環境を取り入れた展示方法が求められるわけです。DSCN3321

展示の実践授業としての現場は、万代橋のたもとのメディアシップで、展示会場はその20階と1階です。20階では写真を吊るす高さの調整や縦写真と横写真の組み合わせ、また机上選んだものの実際の展示会場に来てみると、周辺の状況等から写真の配列の変更など様々なことが現場では検討されます。正解がない、答えがないのが実際の現場の作業です。それだけに妥協は一切許されません。

このようにして今まで何気なく見ていた写真を、この機会を通して、生徒たちはいかに写真を見てもらえるようにするのかという工夫を学ぶことができました。美術館や博物館へ足を運んだ時には、おそらくはいままとはちがった作品の見方をするようになるのではないでしょうか。

2014/10/24 配列方法を学ぶ

DSCN3300 DSCN3299 DSCN3298 DSCN3297

さて、展示する写真をセレクトしたところで、次の作業は配列です。せっかく苦労してセレクトした写真を活かすも殺すも配列次第です。来ていただいたお客様に写真家の世界に誘導するためにはどんな入口を設定するのか、そして引き込むにはどんな写真が有効なのかを考えなければいけません。
きょうの授業では、事前に選んだ写真22枚をどのように配列するのかを考えてもらいました。実際の写真よりも小さく、実際の展示会場とはちがった場所での配列ですので、なかなかイメージがわかない中で、コンセプトを決めて配列していく実習授業です。
基本的に実習では3人ひと組になって、それぞれの意見を出し合って決めてもらいました。時間は約30分です。机に上に並べて、どの班も議論を戦わせていました。そして30分後にそれぞれの配列を発表してもらいました。各班ごとにどんなコンセプトで配列を決めたのかを発表してもらいました。目線、インパクトある写真とのバランス、説明文の配置を真ん中に置く班もありました。正解不正解があるわけではないので、それぞれ発表された各班の配列方法にはそれぞれの個性がありました。

2014/10/20 実践編① 写真選択

授業はいよいよ実践に入りました。11月1日から新潟日報メディアシップを会場に始まる「にいがた 市山流 その踊りと芸妓の魅力」と題した2014年地域映像アーカイブ 大学と地域 新たな連携による映像展示が始まります。その展示の一角を受講生にやってもらおうというものです。この授業では、原田先生と榎本先生が事前に選んだ40枚の写真を20枚に絞り込む作業が行われました。選別作業はさまざまな観点、視点などが要求されます。そこでまず受講生に20枚を選んでもらい、その選んだ基準を一人ずつ発表してもらいました。初めてながらも「背景を基準」「動きを中心に」「縦写真と横写真と基準に」という具合にそれぞれきちんとした判断基準が発表され、原田先生もびっくりした様子でした。次回の授業では受講生が選んだ写真をもとにしながら、正式に展示する写真を決定することにしています。DSC_0152DSC_0154DSC_0159 DSC_0180 DSC_0176DSC_0171

2014/10/20 展示方法を学びたい

10月4日に行われた「映像で読むにいがた」という原田先生の講演会を聞いて、受講生がどんな感想を持ったのか、それと受講生の自己紹介を兼ねて授業が進められた。10月4日の講演会ではこれまで公開されなかった新潟地震の秘蔵映像も披露され、会場に集まった人たちの注目を集めていました。自己紹介を兼ねたこの人授業では、実際の昔写真や映像が残っていることにびっくりするような声が受講生から聞かれました。またアーカイブ授業に対する期待ということでは、民俗学を専攻しているので、将来なにか展示会を開催した時のために展示方法などを学びたいと思って受講することにしたなどの意見が聞かれました。

2014/10/20 未来をデザインするアーカイブ映像

第一回目は授業のガイダンスでした。アーカイブとはなにかということを中心とした議題で、原田先生が話を進めました。また実際のアーカイブ映像を見ながら、映像の裏側についての説明もありました。アーカイブ映像やアーカイブ写真には記憶が映っています。しかしそのアーカイブを見ることで、記憶が作られることや蘇ることもあります。言い方を変えると、過去がいまを作っているということです。
なぜアーカイブを掘り起こすのか、記憶は美化されていることもあります。発掘することで、問い直され、修正されることもあります。アーカイブは一見すると過去のものであるとだけ感じられますが、映像に作用する機能を考えると現在とのつながりが見えてきます。なぜ映像として写真として残したのでしょうか。重要だからだったのか、その理由というものを考えてゆくことが、未来をデザインするということなのです。

  • お知らせ
  • 表現プロジェクト演習の特徴
  • 授業科目
  • 過去の授業科目
  • 新潟大学人文学部GP(2010-2012)
  • GPの概要
  • GP実施計画
  • GP事業とは
ページの先頭へ戻る