2014年度_授業報告_表現プロジェクト演習(ドイツ語劇)
2014/5/16 配役決定!(2014/05/14)
こんにちは、TAの羽下です。今回、なんと配役が決定しました!最初に新しい台本(ドイツ語訳と日本語訳が書かれたもの)が手渡され、以前、希望していた配役を優先しながら決定していきました。では、配役紹介とともに、それぞれの役についてもおさらいしてみましょう。
①コースチャ(トレープレフ)[5人]
コースチャはアルカージナの息子で、25歳の若い男性。
今回二人欠席なので写真には三人だけです。
②トリゴーリン[1人]
小説家で30代後半の男性。アルカージナがつれてきます。
③ドルン[1人]
医者で、55歳の男性。
今期の授業ではドルン医師を男装してもらいます!
⑤アルカージナ[2人]
43歳の女優。
おほほほほ、奥様らしい!
次に、コースチャ、ニーナ、アルカージナのみなさんは、どの幕・どの部分を担当するか決めていきました。
1人の方は練習タイムに。
コースチャ、ニーナ、アルカージナはそれぞれ、長い台詞を言ったり、感情の起伏が激しかったり、と難所がところどころあります。また、覚えやすさも個人個人で違うと思うので、みなさん、かなり悩んでいました。
配役および演技場面が決まった後、その担当で、台本完成版の日本語全幕と、ドイツ語第一幕と第三幕の途中まで読み合わせてみました。先生からも声の演技指導が入っていきます。
一番最初に長台詞があるコースチャ。本当に長いです。舞台の説明をして、説明が終わって会話になる切り替えになるのも難しいですね。
一幕二幕のニーナ。一幕の劇中劇シーンはニーナの独壇場なので大変です!
一幕二幕アルカージナ。鼻で笑ったり、高い笑いしたりと「笑う」演技がこの役の雰囲気を左右しそうですね。
三幕四幕アルカージナ。こちらは皮肉をこめた長台詞があります。
二幕三幕四幕ニーナ。ニーナはどこで入れ替わるか決めづらいく、次回もしかしたら変更があるかもしれません。
四幕のコースチャも、演技が難しそうです。
トリゴーリンとドルン医師。トリゴーリンは全体的に台詞が多いですし、ドルン医師は台詞は少なくとも、一つ一つの台詞が重要になってくるので緊張する役たちです。
ほぼ配役が決定したので、次回からは担当箇所のドイツ語に徹底的になれていきます!
2014/5/8 発音に気をつけて練習 (2014/05/07)
こんにちは!TAの羽下です。前回までチェーホフの『かもめ』ドイツ語版を、第二幕までですが、読み合わせてきました。
授業の初めは、前回、読み合わせをやっていない人たちに、いくつか台詞を読んでもらいました。先生がドイツ語の力をチェックしていきます。
読み合わせをしたあと、今回は「発音」の練習をします!特にドイツ語は「アクセント」が重要です。前回の報告でも述べたように、多少間違えてもアクセントが命!一つ一つ確認していきました。
全員で行うには人数が多く、ドイツ語がはじめての人もいるので3つの班に分かれて丁寧に行いました。
男性チームはドイツから帰国した方を中心に辞書とも照らし合わせながら!
おっと、フランスの人名を発見!このアクセントは先生と確認しながら!
私、羽下は女性チームのお手伝いを。英語に似た単語は英語の発音と混ざってしまいますよね!ドイツ語は子音のS+母音は「ざじずぜぞ」と濁りますよ!SSはにごらない!あわてずにね。
こちらはドイツ語初チーム。先生と基礎から見ていきました。
ドイツ語はほとんどがローマ字読みです。母音の例外としては四つ。①「ei」が「アイ」、②「au」が「アオ」、③「ie」が「イー」、④「eu」と「äu」が「オイ」という発音になるので注意してくださいね。
時間がくるまで発音練習をしていました。
次回も続けて『かもめ』のドイツ語になれていきましょう!!
2014/5/1 第一幕をよんでみよう~ドイツ語訳~(2014/04/30)
こんにちは、TAの羽下です。
前回、第一幕を日本語で読み合わせしましたが、今回は本番と同様にドイツ語版で読み合わせをしました。
ドイツ語版のテキストです。ドイツではお馴染みのReclam文庫のものを使います。Reclam文庫とは、1867年創刊のReclam出版社の文庫で、黄色い装丁が特徴となっており、安価に哲学や芸術論、文芸、自然科学、社会科学関連などのテキストが読め、当時のドイツの教養に大きな影響を与えました。この文庫の多くの本は黄色一色のシンプルな表紙ですが、この『かもめ』は、当時成功をおさめたモスクワ芸術座が記念に作ったシンボルマークを入れています。
中はこんな感じです。
書きこみがされているように、読み合わせ前に、みんなで日本語版でカット・修正した部分をドイツ語版で確認しました。この作業が結構大変で・・・先生からの指示を聞き洩らさないように、耳を磨ぎ澄ませて線を引いたり、つけ足したりしました。
結構苦戦しているみたいですね。
日本語の時のようにスラスラとはいきませんよね。
ドイツ語になれている方でも、初めて見る単語にはドッキリするようです。
ドイツ語の豆知識その1。ドイツ語の単語は、単語と単語がくっついて一つの単語になっているもの多い!
例えば、簡単でわかりやすいものだと Sternbild「星座」という単語。確かに一つですが、よくよくみると・・・
Stern「星」+Bild「絵・イメージ・写真」=Sternbild「星座」
なんです!星の絵=星座、そのままですよね!発音もSternとbildで区切ります。
これくらいわかりやすいものがある一方、くっつく時の決まりが厳しくないので、辞書に載っていない長い単語が作れます。一番文字数が多い単語は79文字で、7つの単語をくっつけたものです。息継ぎしたいですね。なので、新しく長い単語が出てきたとき、いったいどこで意味が切れるのか、戸惑ってしまうのです。
ドイツ語の豆知識その2。発音の強弱ははっきりと!
ズバリ、アクセントです。多少単語を間違えても、アクセントがしっかりしていれば通じることが多いのです。むしろ、単語を間違えず言えても、アクセントの位置が違うと、相手が聞き取れなかったり、聞き取れても別の意味で理解されてしまいます。
私も気をつけながら、みんなの台詞を追っていきました。
第二幕も修正して、ちょっとだけ読んでみました。でもやっぱり難しいですね!
次回は、発音・アクセントに気をつけながら練習していきます!
2014/4/28 第一幕をよんでみよう~邦訳~(2014/04/23)
こんにちは、TAの羽下です。まず教室に行ってみると、受講する方が増えていてびっくり!まだ最終決定ではないですが、みなさん、ぜひぜひ参加を!
さて前回の宿題はチェーホフの『かもめ』を読んできて、どの役を演じたいか決めてくること、でした。
「読んできた感想は?」と先生が尋ねたところ・・・
「喜劇と書いてあるのに、終わり方が悲劇的」や「まさか最後にあんな風になるなんて」と驚かれた方が多かったようです。そうなんです。『かもめ』は【喜劇】となっていますが、決してハッピーエンドでは終わらない戯曲。しかも、先生がおっしゃるとおり「この劇の恋愛は誰も向き合わない」のです。つまり
Aさん→Bさん→Cさん→Dさん
というように一方通行になってします。1人くらい向き合ってほしいな、と思わずみんな笑ってしまいました。
次に、本番どのような舞台になるのか、という説明。『かもめ』は四幕劇です。第一幕は暗い中で、照明を使います。しかし第二幕~第四幕までは普段の明かりの中で演じます。というのも、第二幕からは先生から「ブレヒト風に」しようという提案です!
つまり・・・
|役者が演じている舞台(一番前)|
|役者が観客として舞台を見ている客席(真ん中)|
|本当の観客がいる客席(一番後ろ)|
というように、舞台と客席の二つの分け方ではなく、舞台と舞台上の客席と通常の客席の三つの分け方となります。後者の分け方をして観客に、「あれ?これ舞台?どこが舞台?」などのように違和感を喚起させます。このような当たり前のようなことに違和感を起こさせる効果を「異化効果」といい、今回舞台の演出で使用しようとしているものです。
ちなみにブレヒトとは、ドイツの劇作家ベルトルト・ブレヒトのことです。彼は観客に感情移入を求めず、作品への批判的な考えを起こす方法の一つとして「異化効果」を用いました。
あ、なるほど。あの一方通行恋愛を、「滑稽だな~」とか爆笑して見ている観客がいる舞台を見れば、感情移入はしづらそうですね。
演出の説明のあと、チェーホフについて先生が本を持ってきてくださいました。
中は全部チェーホフ。
若いころのチェーホフって結構イケメンだと思いませんか?
こちらは当時チェーホフの劇を演じていた人たち。
みんな興味津津!こぼれ話ですが、チェーホフの妹はチェーホフがかなり大好きだったらしく、死後ばらばらだった作品群や資料を収集しまとめた人だそうです。本当に「うちの兄さんNo.1!!」だったらしく、チェーホフの奥さんに嫉妬していたとのこと。(奥さんの手紙にばっちりと「(チェーホフの)妹から嫉妬をうけている」と書いてあるらしい)しかも、チェーホフも妹のことを可愛がっていたらしく、『かもめ』みたいに一方通行ではないところも面白い。確かに、チェーホフは幼い頃から一家を養っていたので、愛情の形も様々に変化し混合していそうですね。しかし、このチェーホフの妹のおかげで、こんなにも資料が残っているのだから有難い。
資料を見たところで、今回のメイン内容、第一幕の読み合わせです。
まだ配役は(仮)でドキドキ、手探り状態でセリフを読み合わせていきます。
この授業では役を・・・
●コンスタンチン・ガヴリーロヴィチ・トレープレフ(コースチャ)【若い男性、アルカージナの息子】
●ボリス・アレクセーエヴィチ・トリゴーリン【小説家】
●ニーナ・ミハイロヴナ・ザレーチナヤ【裕福な地主の若い娘】
●エヴゲニー・セルゲーエヴィチ・ドルン【医師】
●イリーナ・ニコラエヴナ・アルカージナ【女優】
上の5つに限定して進めていきます。
トレープレフや
トリゴーリン、
ニーナとアルカージナに
ドルン医師!ドルン医師カッコいいです!
先程も書きましたが、まだ仮の役なので、本役が決まり次第お伝えしようと思います。来週も読み合わせ頑張っていきますよ♪
最後に没になったカモメです↓
ペンギンのぬいぐるみです。先生の私物でとっても可愛いんですよ!でも、やっぱりカモメと足が違いすぎて、もっとカモメに似ているぬいぐるみを探すことになりました。この可愛さがもったいないので、ここでお披露目です。ではでは、また次回。
2014/4/23 ドイツ語劇 初顔合わせ(2014/04/16)
こんにちは!今回TAを担当する羽下(はが)です。授業の様子を毎回皆様にお届けしたいと思います。
初回の授業は4月16日、顔合わせと授業内容の説明でした。
まずは私たちの先生をご紹介します。
畑 志津子(はた しづこ)先生です。先生はドイツ語とロシア語に精通されていて、なにより演劇を愛している方です。
今回、この授業で扱う教材はチェーホフの『かもめ』
皆様お気づきかと思いますが、チェーホフはロシアの劇作家です。あれ?ドイツ語は?
いえいえ、この『かもめ』を、ドイツ語で上演します!とはいえ、さすがにすべてを上演するわけにもいかないので、ギュッと内容を詰め込んでお届けしたいと思います。
まずは、チェーホフとロシア語について簡単に畑先生から教えてもらいました。
なるほど、ロシアの方は名字をほとんど呼ばない・書かないらしいですね。そのため、署名が残っている小説や記録もいったい誰のものなのかすぐにわからないのだとか。私も驚きました。
それぞれ自己紹介をして、今日の宿題の発表!
『かもめ』を読んで、どの役を希望するか決めてくる事。ダブル・キャストもあるので、まずはどの役がやりたいか、その気持ちが大切になってきます。
次回が非常に楽しみですね。