2014年度_授業報告_表現プロジェクト演習(パフォーマンス制作)

2014/9/12 パフォーマンス制作5日目 最終日

ついに最終日となりました。

朝のミーティングの後、各グループの最終的なセッティング、ゲネプロ(総稽古)を行いました。
そして、午後2時30分、本番を見てくださる観客の方々がやってきました。
パフォーマンス「感覚の学校」の始まりです。

最初は視覚グループ(高橋幸世、鈴木正美)のパフォーマンスです。
1視覚1

1視覚2

 1視覚3

3色のライトと小さな羊のオブジェ、紙に書かれた文字と音楽だけで作られた、
10分ほどのパフォーマンスでしたが、とても不思議な空間でした。

次は嗅覚グループです。舞台はなんとエレベーター。

2嗅覚1

2嗅覚2

案内役のパフォーマーに導かれてエレベーターに乗り込むと、
5階では体中レモンを貼り付けた不思議な女性が乗り込んできて、
エレベーターの狭い空間がレモンの香りでいっぱいになりました。

2嗅覚3

4階に党略するとその女性が降り、入れ替わりに浴衣の女性が乗り込んできました。
すると浴衣からお香の香りが立ち込めるのです。
2嗅覚4

2嗅覚5

3階では、浴衣の女性に代わって泥酔したサラリーマンらしき男性が、
頭にネクタイを巻いた姿で乗り込んできました。
2嗅覚6

その体からはニンニクのにおいが漂ってくるので、
どうやらニンニクたっぷりのラーメンを食べた帰りのようです。
2階に到着するとサラリーマンはいずこへともなく立ち去り、
観客もエレベーターを降りて嗅覚パフォーマンスの終了です。

エレベーターの前では3番目の触覚グループが待っていました。
参加者全員に目隠しをしてもらい、
一人ずつ案内役がついて再びエレベーターへと導きます。

3触覚1

視覚を奪われた状態で上昇するエレベーターに乗ると、
人はどう感じるのかという体験をしてもらうためでした。

エレベーターは5階に到着。
ここで目隠しをしたままイスに乗せられて次の会場まで移動します。

目が見えないことで頬にあたる風をはっきりと感じることができる、
スリリングな瞬間を楽しめました。

3触覚2

3触覚3

 

次に参加者は目隠ししたまま真っ暗なスタジオの中に導かれます。
顔にあたる風やシャボン玉の感触の後、
テーブルに置かれたさまざまな物を手に触れただけで当てるゲームが始まります。

3触覚4

3触覚5

 

水でこねた片栗粉の不思議な触感には参加者全員驚いていました。

3触覚6

 

新聞やアルミホイルなど普段足で触れることのない物の上をはだしで歩いて、
その感触を体験しました。

3触覚7

スタジオを出ると、一旦目隠しを外して気持ちをリセットし、
再び目隠しをしました。
すると、どこかから気持ちの良い音が聞こえてきます。
その音のほうへと、案内者に導かれて移動します。
いよいよ聴覚グループのパフォーマンスです。

4聴覚1

目隠しを取ると、そこは薄暗く広い空間でした。
床はカーペットです。
音楽がなられている間は案内者(パフォーマー)の声が聞こえるのですが、
音楽が消えると声も消えてしまいます。
そして案内者は声を使わずにダンスを教え始めるのです。
すると、聴覚が必要なダンスが聴覚なしでもできるということがだんだん実感できるようになるのでした。

4聴覚2

4聴覚3

 

 

4聴覚4

 

最後に参加者全員がダンスをすべて踊り終わると、
それを撮影した動画を見せながら音楽を流します。
なんと、ダンスと音楽がぴったり一致しました!
聴覚を奪われても身体が音楽を感じていたということがわかるのです!

4聴覚5

 

最後の味覚グループのパフォーマンスは実験室のような教室で行われました。

5味覚1

5味覚2

 

白衣を着てマスクを付けたパフォーマーから、何やら怪しげな試薬が配られます。
参加者は目隠しをした状態でそれを飲んで、中身が何かを推測します。
最初の液体はコーヒー牛乳のようでしたが、
実は麦茶に牛乳を入れ、砂糖を混ぜた「偽コーヒー牛乳」でした。

次に飲んだのは2つの液体でしたが、全く味が違いました。
しかし、実は両方同じ液体の「砂糖水」でした。
同じ濃度の砂糖水を凍らせたものと常温の物とで、感じ方が変わるという実験だったのです。
味覚がいかに他の情報に左右されやすいかが体験できる「実験」パフォーマンスでした。

5味覚3

5味覚4

5味覚5

 

 

すべてのパフォーマンスが無事終了し、別室に全員移動してから合評会を行いました。
「五感の学校」のそれぞれのパフォーマンスについて、さまざまな意見が飛び交いました。
パフォーマンスはアーティストと観客がいないと成り立たないからこそ、
伝えたいことをいかに伝えるかをよく考えることの重要さ、
パフォーマンスを作り上げて実行するまでにメンバー全員が協力することの大切さがよくわかりました。

最初は知らない同士だった学生が、
いろんなエクササイズを通していつの間にか仲間になり、
協力して一つの物を作り上げる楽しさ、素晴らしさみたいなものをみんなが感じたようです。
欠席者、脱落者が一人もいなかったのも、一人ひとりが真剣に参加して、
チームワークがうまく機能していたからだと思います。

最後に受講者全員で記念写真を撮りました。

7記念写真

みなさんお疲れ様でした!

2014/9/11 パフォーマンス制作4日目

今日は1日を、明日の発表のための準備時間に費やしました。

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グループごとに、実際のパフォーマンス場所へ移動し、
道具や人をつかいながら流れを確認していました。

話し合っていただけでは失敗してしまうこともあるので、
実際に自分たちで動いて試すことを繰り返し行っていました。

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 この3日間のエクササイズの中で集めてきたたくさんのアイディアをもとに、
取捨選択をしたものを磨き上げていく。その作業を根気よく詰めていく時間が続きます。

途中、さちよさんが観客役として入り、アドバイスをする場面も見られました。

そして、最後にリハーサルをしました。
全員で、お互いが観客役になりながら通してのリハーサルです。

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お互いに体験してみての感想を発表し合い、スムーズに進まない箇所を確認し、
グループをこえていろいろアドバイスし合っています。

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最後に反省会を行い、翌日の本番に向けての最終チェックを行いました。

頭で考えすぎずに、思いついたままやってみよう!
失敗を恐れずにやってみよう!
そんな言葉をさちよさんはこれまで何度も繰り返していました。
それを胸に刻んで、さぁ明日はいよいよ本番です。

2014/9/10 パフォーマンス制作3日目

あっという間の3日目です。

まずは恒例のウォーミングアップから始まります。
鏡のように相手の動きに合わせていきます。

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次は、紙を使って一人ずつ異なる音を表現していきます。

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この日のメインのエクササイズは「観客とのインタラクション」でした。
グループごとに観客を誘導するにはどんな方法があるかについて話し合い、実際に発表しました。
観客役と誘導役、それらを見ている役に分かれて行っています。

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各グループ2回やりました。
1回めは道具を使わないで誘導する方法を、2回めは道具を利用してよい誘導方法でした。
どのグループもとってもおもしろいアイディアを出していました。
例えばこのグループは、1列になって体操しながら目的地まで観客を誘導しています。
観客は知らないうちに誘導されているのです。

 

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お互いの意見を出し合い、より良い誘導を目指して考えを練っています。

この日の午前中までにさまざまなエクササイズを経験してきました。
これらはすべて最後の発表のためのパフォーマンスに使わなければならない、
というわけではなく、素材の一つにすぎません。
体、音、空間、テキスト、オブジェ、サイト、インタラクション、などの体験を蓄積していき、
最後の発表に活かされるためのものでした。

そして午後からは、前日に行ったサイト・ハンティングの結果を報告し、
発表当日の順番を決めました。
やりたい順に決めるのではなく、
午前に行った、観客を誘導していく点とパフォーマンスの場所を照合させながら順番を決定していきました。

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決定後、グループごとにわかれて発表内容をさらに考えていきました。

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明日はリハーサルを含め、さらに準備を進めていきます。

 

2014/9/9 パフォーマンス制作2日目

パフォーマンス制作、2日目です。

まずは体を目覚めさせるため、歩く練習です。
音楽の様子に合わせて歩いていきます。
クラシックやジャズ、歌謡曲など、曲調に合わせてリズムの取り方に変化を付けていきます。
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そして、鈴木先生の即興音楽に合わせて体を動かします。
鈴木先生の作り出す音は、その人ごとに変わっていきます。
音に合わせて体を動かすことに抵抗があった人もいましたが、
何度もやっていくうちにだんだんとリズムに合わせて動くようになっていきました。

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ここからは今日のメインのエクササイズです。
グループに分かれて、それぞれのテーマに応じたテキストを各自が持ち寄りました。
それを使って「テキストのエクササイズ」をしていきます。

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言葉をただ読んだだけでは面白くないので、
音として音声詩にように繰り返したり、言葉のリズムで遊んだり、言葉のアンサンブルを作って発表しました。
この発表形式は、みんなに大好評でした。

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次はオブジェを使ったエクササイズです。
こちらも各自が持参したものです。

まずは、視覚チームの先生たちから。
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各グループの感覚テーマに合わせたオブジェを利用しています。

さて、前日は宿題が出ていました。
それは「感覚する装置」を考えてくることです。

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これはグループ内で発表している風景です。
テーマに合わせて考えてきたので、お互いのアイディアを交換し合い、最終日の発表に向けての材料の一つになったのではないでしょうか。
最後に、最終日の発表で使うロケハンを行いました。
この授業は、普通の教室や劇場のようなところでやるのではなく、
それぞれの「感覚」のパフォーマンスにふさわしいロケーションを考えて発表します。

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いろいろなパフォーマンスの実験を行い、
発表に向けての準備が整いつつある2日目でした。

2014/9/8 パフォーマンス制作1日目

9月8日から12日までの5日間に行われる集中講義の表現プロジェクト演習Sは、
高橋幸世先生(さちよさん)によるパフォーマンス制作です。

登場早々からパフォーマンス開始です。
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「私は人間です」
と書かれた吹き出しを持っています。

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14人全員でさちよさんに誘導されながら輪になり、
目隠しをしてシラバスの説明を音だけで聞いているところです。

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この場面は声のエクササイズをしている場面です。
声を使ってサウンドスケープを作っているところです。

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次は体のエクササイズです。
ボディいタッチを通して、あいさつをしながら体をほぐしています。
普段の「言葉を使った」あいさつではなく、体をつかって出会うところに新鮮味を感じますね。

3つ目は空間のエクササイズです。
教室のスペースを意識しながら、ポーズのエクササイズ・自分たちで岩になり空間に枯山水を作るエクササイズ・空間内の持つ要素を自分の体を使ってクローズアップするエクササイズをしている風景です。

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一人ひとりの表現が独創的で心に迫ってくるものがあると、
さちよさんはおっしゃっていました。

午後からは、「パフォーマンスってなに?」についての講義です。

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講義のあとは、「自分とは何者か」について一人ずつ表現していきました。
自己紹介も兼ねていたので、自分の得意なことをしました。

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楽器の得意な人、踊れる人、レントゲン検査ができる人などなど、
一人として同じ表現をした人はいませんでした。

初日の最後は、感覚の散歩をしました。
グループに分かれ、
一人がアイマスクを付け、もう一人がガイドをします。ガイド役の人は手をつないだり、
言葉を遣ったりしてガイドをしていきます。残りの人たちは、どんなことが起きているのかを観察しています。

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普段の歩くスピードより遅く、不安そうな足取りです。
ちょっとした光の当たり方や音、足の感触に驚いていました。

散歩の後は感想をグループごとにマップ化しています。

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それぞれの意見を見合い、討論していました。
その中には、建物の中と外の感覚が全く違う、という感想や、
いつも歩いている場所なのに距離感が全くつかめなかった、
という意見が出ていました。

今日は、エクササイズの中でグループを決めました。
そのグループごとにテーマにする感覚を、
視覚・触覚・嗅覚・聴覚・味覚の中から選びました。
明日はグループごとに選んだテーマの感覚をさらに追求していきます。

おまけ。

今日習った表現をみんなにしてもらいました。

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