2014年度_授業報告_表現プロジェクト演習(写真集制作)
2014/6/3 個人テーマを考える③(写真集制作6)
個人テーマ案発表の3回目。
1人2案ずつの発表も今回の割り当てで最後です。
ぱっと見では分からないつながり(with)の発見。
この授業で作る写真集は、全員でA5・40ページというレイアウトの制限があるため、あまり多くの写真を並べることはできません。
レイアウトの制限のなかでテーマをどう活かすかが重要になります。
地元の日常的な風景のなかの意外なものの発見。
こうした内容重視の写真は、言葉・文章との組み合わせが重要だそうです。
題材のおもしろさと撮り方のおもしろさは必ずしも分離しないので、言葉も含め、組み合わせることで生まれる魅力を追求してほしいとのこと。
天井を見上げたときに見えたカーテンのすき間を撮影。
普段は意識しないような、さまざまな穴(の形)の発見。
近づいて見てみると、何だか分からなかったり、別のものに見えたりするのがおもしろいという感想がありました。
人の後ろ姿の発見。
左側の写真は声をかけてポーズをとってもらったところを撮った写真だそうですが、意識していても自分では見えない背後、背中のおもしろさがあります。
また、人の写真を見るのがインスピレーションを得るための良い方法ということで、今回もあまった時間を利用していくつか写真集を見ました。
これから写真集を作っていくにあたって、言葉との組み合わせや写真の配置など、冊子、レイアウトとして、写真をどうまとめていくかも考えながら写真集を見ていました。
ということで、3回にわたってやってきた個人テーマ案の発表も今回で一段落。
次回は個人テーマと写真集制作に向けた班を決定します。
(野俣)
2014/5/26 個人テーマを考える②(写真集制作5)
前回に引き続き、今回も1人2案ずつ写真を発表。
個人テーマの検討を行いました。
音、写り込んだ自分、道など…さまざまな案が今回もあがりました。
自分のテーマを決めるといっても、すんなりとはいかないようで、発表からは写真を撮りながらいろいろと試行錯誤している様子も伝わってきました。
前回のコメントにもありましたが、「形や色といった形態的な要素にとらわれ過ぎないように。それらはあくまで出発点として、そこからさらなる価値や意味を考えていってほしい」とのアドバイスが先生からはあがっていました。
水の道。水面がアスファルトに見えるような。
建物内にひっそりと置かれている石膏像。
ピクトグラムや自動販売機の背景への注目。
家族や境界をテーマにした写真。家族に関するステレオタイプなイメージって結構あるかもしれません。
それぞれの写真を見る力、写真へのコメント力も少しずつ鍛えられてきた気がします。
発表は早めに終わったため、残りの時間は写真集を見る時間に。
先生は各自のテーマ案に近い作品を紹介しながらアドバイスをしていました。
次回も続いて、テーマ案の発表・検討をしていきます。
(野俣)
2014/5/20 個人テーマを考える(写真集制作4)
写真集のテーマが「発見」に決まりまして、
今週からは数回にわたって、それぞれがどんな「発見」の写真を撮るのか、
個人テーマを考えていきます。
テーマ案を1人2案ずつ発表し、みんなにコメントをもらいながら、題材を検討していきます。
いろいろとおもしろくなりそうな題材が上がりましたが、このブログだけでは伝えきれません。
寝転がって見上げた写真やモノの裏側をひたすら撮った写真など、普段私たちが見慣れているものでも、視点を変えてみると新しいおもしろさが見えてきました。
トイレのトイレットペーパーの裏側を撮った写真では「ソファに見えた」というコメントも…
写真を通して見ると、モノの形や表面、色自体のおもしろさにも気づかされます。
その一方で、形とか色のおもしろさを越えるもの(社会的側面)を写真にどう付け加えていくかが、今回写真集を作っていく上では課題となります。
花と人の頭(つむじ)を並べてみると……似てる!?
家の庭にキジがいて、その鳴き声が自分の目覚ましになっているので、時計をテーマに撮ってみた、という写真も。
「家にキジがいる」というだけでなかなかのインパクトがあります。
このような感じで、数週にわたり、少しずつテーマを絞り込んでいきます。
(野俣)
2014/5/13 テーマは「発見」(写真集制作3)
今回、制作する写真集のテーマが「発見」に決まりました。
ということで、「発見」をテーマに、他人が撮った写真を分析することが今回の課題です。
授業の前半では、人の写真を通じてどのような「発見」が得られたのかを、各自発表してもらいました。
普段自分が見ている視点とは異なる足元の視点からの写真や、頭上の鏡を撮ることで自分を上から見下ろす視点の写真など、写真が可能にする新たな視点の発見
シャッタースピードなど撮影の仕方で同じものを撮っていても見え方が変わってくるという発見
モノクロの写真は色がない分、被写体の質感などかえって見えてくる部分があるという発見
撮影時には気づかずに写り込んでいたものや撮影者が意図していなかったものにおもしろさを感じるという、写真を見ることのおもしろさの発見
…など、写真に対する様々な角度からの「発見」がありました。
授業の後半は、甲斐先生が作品を紹介しながら、
「写真で発見する」とはどういうことなのかについて、話がありました。
「発見」をテーマに写真集を制作していくにあたっては、まず、「◯◯を発見する」の「◯◯」を自分で決めなければなりません。
今後の何回かの授業ではその「◯◯」を考えていくことになるのですが、それにあたって次のような、いくつかの考えてほしいことを先生はあげていました。
・写真を人が見て面白いと思うか
・記録や情報としての価値はあるか
・自分自身の「発見」を記録した写真を見た別の人が新たに(別の)「発見」できるような写真はどのような写真か
・自分の写真スタイルは誰かの作品に似ていないだろうか
・あえて構図などにこだわらずに撮る、同じような構図の写真を撮り集めることで浮き上がってくる「発見」もある
また、写真はそれだけで完結するものではなく、他の写真や言葉と組み合わせることによって新たな意味・価値を帯びてくるものでもあり、
そうした「発見」についても写真集の制作を通じて考えていきます。
先生が参考にと持ってきた写真集を見たりもしました。
次週からは各自、「発見」をテーマに写真を撮り、発表しながら個人テーマを追求していきます。
(野俣)
2014/4/30 自由に撮る(写真集制作2)
今回からは、いよいよ写真集制作に向けた活動に入っていきます。
写真集は40ページほどの冊子として完成させる予定で、7月上旬の入稿を目指します。
並行してFacebookページなどで授業内で撮影・発表した写真も公開していきます。
今回は課題でもあった、各自が自由な題材で撮影してきた写真の発表を行いました。
普段から趣味で写真を撮っているという人もいれば、部活やサークルの様子をたまに撮る、ケータイのカメラを使うぐらいなど、カメラの慣れ具合・技術も人それぞれ。
一眼、コンパクト、ケータイと今回は使うカメラも自由です。
大学の友人、大学の帰り道、近所の五十嵐浜など身の回りのものを撮った写真が多く目につきました。
五十嵐浜は何もなさそうで、意外におもしろいものがいろいろと転がっているようです。
彼は「写真に写るもの/写らないもの」 をテーマに撮影。
多量のわさびを食べてもらい、苦しいながらも何とか笑ってもらった表情を写真に撮ったそうです。
他にも、
桜が葉桜に変わっていく季節の微妙な変化を撮ってみたものや、
公園や植物園に行って撮ったもの、
行った展覧会のテーマであった「コメ(米)」を自分のテーマにしてみたというもの、
自分の好きな生き物を撮ってみたというものなどがありました。
他の人が撮ってきた写真それ自体を見るのはもちろんおもしろいのですが、
それ以上に、皆のその写真にまつわるエピソードなどについての話がおもしろく、興味を惹かれました。
今回の授業で発表した写真の一部は後日公開予定です。
次回は「人が撮った写真を分析」します!
(野俣)
2014/4/15 イントロダクション(写真集制作1)
表現プロジェクト演習T「写真集制作」初回の今日は、
授業についての説明をした後、それぞれかんたんな自己紹介を行いました
この授業では、「写真集を制作する」をテーマに、写真の撮り方や見方について学び、写真を「撮ること」「見ること」「語ること」について考えていきます。それは身の回りをはじめとする様々な物事に対する新たな視点の発見にもつながるかもしれません。
甲斐先生の専門は写真史で、自身でも趣味で写真を撮っています。
この写真集制作の授業は今年度が初めてということもあり、先生もかなり意気込んでいる様子でした。
教室には履修定員を大きく上回る履修希望者が集まってくれました……が、
授業の都合上、どうしても人数を絞らなければなりません。
授業のメンバーが決まったあとは、それぞれ自己紹介をしてもらいました。
学部も学年もバラバラですが、
「最近カメラを買ったので…」「サークルで写真係をやっていて興味を持った」「写真についての基礎知識を身につけたい」など授業を受けた理由も様々。
今期はこのメンバーで課題テーマに応じた写真撮影、発表などを行いながら、写真集の制作・完成に向けて動いていきます。
写真集は冊子の他に、デジタル写真集のような形でウェブサイトに公開していくことも考えているそうですが、細かいことについてはまだまだ未定。
参加者皆で話し合い、どんなことができそうかを探っていきます。
早速ですが、次回までの課題も出ました。
「各自、自分で題材を決め、100枚以上の写真を撮影し、自由にレイアウトして持ってくること」
なかなかの枚数です…がんばってください。
自分で題材を決めるということで、
それぞれがどんなものに興味があるのか、どんな写真をとってくるのか、
楽しみです。
また、撮ることも大切だが、なるべくたくさんの他の人が撮った写真を見てほしいということを甲斐先生は言っていました。
写真集制作に向けて、実際の写真集を見ること、写真展に行ってみることも勧めていました。
それでは、また次回。
(野俣)