表現プロジェクト演習R(災害からの復興と支援)
科目の概要
新潟県では、2004年に中越地震、2007年に中越沖地震が発生し、様々な住民主体の災害対応や復興まちづくりの取り組みが行われてきた。2011年の東日本大震災に伴う福島第一原発事故によって新潟県内に多くの方々が広域避難したが、新潟県では、過去2回の震災の経験や教訓をいかしたかたちで避難者対応が行われた。
この授業では、過去の震災経験(特に中越沖地震)が東日本大震災の避難者支援にどういかされたのかを学ぶとともに、震災から4年が経過した現在でも避難継続中の避難者の心境と被災地の現状をフィールドワークによって把握したうえで、今後どのような被災者支援及び復興支援が必要なのかを考えていく。
科目のねらい
「きづく力」(課題を探求する中で、自分の役割とまわりの人たちの役割に気づき、協同で成果を築く能力)と、「つなぐ力」(協同力、対話能力)を涵養し、成果を社会に発信する。
学習の到達目標
- フィールドワークと講義を通じて、災害復興と広域避難の現状と課題を知る
- 実際に避難者・支援者・行政担当者からヒアリングを行うことによって、現場感覚と社会性を身につける
- 社会調査(とくにインタビュー調査)の方法を習得する
登録のための条件(注意)
土曜ないし日曜に実施する現地フィールドワークを含め、すべての時間に出席し、他の受講生との共同作業が行えること。
学習方法・学習上の注意
現地フィールドワークは、往復に時間を要するので、1日予定を空けておくこと。提案の作成や調査のまとめなど、仲間との共同作業では、授業時間外の作業が必要になる場合もある。
授業計画
1.授業概要の説明、受講生の自己紹介
2.災害からの復興について~中越地震、中越沖地震、東日本大震災から
福島第一原発事故に伴う広域避難について
3.中越沖地震の教訓を活かした東日本大震災における広域避難者対応(ゲスト:支援者・避難者)
4~5.フィールドワーク①(柏崎市)
福島県大熊町からの避難者へのヒアリング(原発事故当初から現在までのプロセスと心境の変化)
6.フィールドワーク①の振り返り:ヒアリング内容のシェアとディスカッション
7~10.フィールドワーク②(福島県)
福島県双葉郡視察および大熊町もしくは福島県庁で現状ヒアリング
11.フィールドワーク②の振り返り:視察の感想のシェアとディスカッション
12~13.フィールドワーク③(柏崎市)
ヒアリング内容の確認、避難者と学生との意見交換
14.総括討論
15.まとめ
*フィールドワークは、授業の2回あるいは4回分を1日で実施する。