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取組の概要

本取組の趣旨は、専門的な知識と技能を伴う実践的人文知を身につけるため、段階的に編成された多様な講義系専門・教養授業科目群と少人数制演習科目に、新たに表現プロジェクト演習を有機的に統合し、「きづく力」(気付く、築く=主体的に課題を探求し、方策を見つけ、答を導く能力、主体的に意見を構築する能力)と、「つなぐ力」(共同力、チームワーク力、対話能力)を育むことである。この二つの力により,社会をひら(啓)く専門的知識を備え、社会をひら(開)くコミュニケーション能力を活用し、社会をひら(披)いて学ぶ経験と意欲を持ち、社会をひら(拓)く活躍のできる人材が養成される。

この取組には二つの背景がある。新潟大学人文学部の卒業生・就職先の各種調査の結果、平成16年度以来の学部教育改革の成果として、学生個別の基礎的能力の獲得については良好な満足度を得ている。しかし、学生自身による計画立案能力、主体性、チームワーク力などの涵養については更なる改善が必要であることが明らかになった。他方、日本の大学全体に、教育活動の成果と価値を社会に向けて発信することが求められている。

二つの課題を解決するため、5つの取り組みを行う。

第一に、初年次から高年次までの一貫した双方向少人数制演習科目体系を学士課程全体の中軸とする。人文総合演習(第1年次)、専門基礎演習(第2年次)、専門演習(第3~4年次)、表現プロジェクト演習(第2~4年次)から構成され、双方向的な学習を行うこれらの演習科目群により、初年次から卒業まで途切れなく「きづく力」と「つなぐ力」が育まれる。特に表現プロジェクト演習では、専門を越えて共同で学ぶ学生たちが、歴史、社会、メディア・情報、人間、文学などの領域を統合した表現活動を行う。専門基礎演習・専門演習は、表現プロジェクト演習の内容に深みを与え、表現プロジェクト演習は専門基礎演習・専門演習での学びを活性化する。これら二系統の演習科目は、相互に学習の質を高め、幅広い学びを保証する。

第二に、学生が学習成果を三つの学外拠点(人文トライアングル・アンテナ)から社会に向けて発信する。白山エリア(伝統・文化の中枢)、古町エリア(経済の中枢)、中央駅エリア(物・人・情報の流通の中枢)という相の異なる市民が行き交う三種の場で、学生は、高年次のTAやSAの支援を受けて、学習成果を発表・展示する。展示までの企画や運営自体が重要な学びであり、三拠点での活動や市民との対話は社会からの学び(社会からの受信)である。

第三に、学生が学習成果や学習素材をアーカイヴ化して発信する(人文アーカイヴ・センター)。演習科目成果や地域社会の文化的遺産を保存、整備、発信する学習を通し、学生は最新のIT技術の活用方法を修得し、WEB上での学外からの反応により学習活動を省察する。前述三拠点がアナログ的であるのに対して、デジタル的な発信・学びを提供するものとなる。

第四に、上記に対応する成績評価方法を開発する。学習成果物と学習・教育双方のポートフォリオをrubricの手法で活用し,学生の相互評価を取り入れ,多面的な評価を実現し、達成度型教育と社会に対する教育の質保証を確保する。

第五に、大学を越えたPDCAサイクルを構築する。教育内容立案・実施の諸委員会が学期毎に実施内容と効果を検討する際に、三種の外部評価委員(人文ボード・トライアングル)の意見、上記三拠点やWEB上での学外からの反応を摂取し(人文ヘクサグラム・システム)、FD・SDを定期的に実施して自己修正を行う。本取組は,このように,学生が主体的かつ実践的に学び,その表現の場を大学の外に展開することにより,教育プログラムを循環的に実質化させるものである。

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