「にいがた MALUI連携地域データベース」の主旨

 現在、教育・研究に関わる博物館・文書館・図書館・大学・産業(MALUI)において、書籍・絵画・古文書・動画・写真・音源などのデジタル化を行い、文化資源化することは喫緊の課題となっています。欧米ではこの領域のデジタル化による文化資源の共有化が、急速に進んでおり、日本の立ち遅れは明らかとなっています。

 これらの文化資源活用の効率性・利便性を高め可能性を広げていくために、広く県内全体の文化資源を一元的に管理公開するシステム(MALUI連携による統合型データベース)を構築することが、緊急の課題となっています。しかしながら、この試みは膨大なデータ量を処理する必要があるだけでなく、さまざまな機関が参加する必要があり、また新たなシステムを築く必要があります。

 そこで、今回、MALUI連携に向けて、新潟県立図書館「郷土新聞画像データベース」と、新潟大学人文社会・教育科学系附置地域映像アーカイブ研究センターの新潟大学「にいがた 地域映像アーカイブ・データベース」を統合して、公開・閲覧することができるようにしました。構成される資料群は新潟地域の歴史・社会の情報を豊富に含み、文化資源として高いポテンシャルを有しています。

 各機関の窓口またはホームページでしか閲覧できない多くの資料群を、統合型データベースで一元的に利用することが可能になれば、研究や教育はもとより、地域の文化資源をまちづくり等に生かすなど、現代的な観点からも活用できることになるでしょう。

 さらに研究・教育機関のみならず新聞社や放送局などにも呼びかけを行い、オール新潟のMALUI連携へと発展させていくことが望まれています。これらの実現により、本県における画期的な研究・教育環境が整備されることになるとともに、ひいては、本県の魅力の発信力向上に大きく貢献できることになると考えています。

 是非とも、関連機関のみならず、皆さま方のご支援、ご協力のほどをお願い申し上げるしだいです。

新潟県立図書館

新潟大学・人文社会・教育科学系附置
地域映像アーカイブ研究センター

新潟大学 にいがた 地域映像アーカイブ・データベース

 新潟大学人文社会・教育科学系附置地域映像アーカイブ研究センターでは、新潟地域の生活のなかにある映像を発掘し、整理・保存を行い、デジタル化をするだけでなく、その内容を整理、分析し、映像メディアの社会的あり方を考え直し、新たな社会の文化遺産として映像を甦らせるべく作業を行ってきました。

 デジタル化が終わっている映像や音源は、着々とアーカイビングされており、第1期として、2012年5月より、写真約1万2000点と動画約140本を、第2期として、2013年4月より、写真約1万5000点と動画約150本を新たに加えた、写真約2万7000点と動画約300本を公開しています。2017年3月に、新たなデータの追加を行い、写真約3万3000点、動画約400本、絵葉書約3800点、音源700点などを公開しています。2019年3月に、新たなデータの追加を行い、写真約7万2500点、動画約400本、絵葉書約3800点、音源700点などを公開しています。2020年3月に、新たなデータの追加を行い、写真約9万2500点、動画約400本、絵葉書約3800点、音源700点などを公開しています。2021年3月に、新たなデータの追加を行い、写真約15万5000点、動画約400本、絵葉書約3800点、音源700点などを公開しています。 2022年3月に新たにデータの追加を行い、写真約19万点、動画750本、絵葉書約3800点、音源約700点などを公開しています。また2023年3月に写真約1100点のデータを追加しました。 2024年3月に、新たなデータの追加を行い、写真約19万6000点、動画約400本、絵葉書約3800点、音源700点などを公開しています。

 また、2013年4月より、新潟大学内での公開のみならず、新潟県、新潟市の関連機関、新潟日報社メディアシップなど、連携している機関で順次、閲覧することが可能になりました。今後も、小中高等学校、あるいは博物館、資料館、美術館、図書館などで利用できるよう、県市町村とも連携し、公開を推進してまいります。

 この公開は、「研究・教育普及目的」の利用ということで、著作権者、あるいは所蔵者の了承を得て、公開を行っております。研究者や学生だけでなく、一般の方にも、是非とも、これらの映像を利用していただき、どんな風に使ったらよいのか、一緒に考えてみたいと思っています。

 是非とも、こうした映像の利用のしかた、映像検索などについてのご意見、さらには、こうした映像公開の規準についての、建設的なご意見をいただきたくお願い致します。

地域映像アーカイブ研究センター

新潟県立図書館 郷土新聞画像データベース

 新聞は、速報性に優れた資料であるとともに、社会状況やその時代の雰囲気を知ることのできる貴重な資料でもあります。とりわけ、各都道府県において発行される地方(郷土)新聞は、特定の地域について調べる際に欠かせない資料です。

 新潟県立図書館(以下「当館」という。)では、『新潟新聞』をはじめとした明治時代以降の郷土新聞を所蔵しており、マイクロフィルムの形で資料提供を行っています。

 このたび、当館の所蔵する郷土新聞のマイクロフィルムの一部をデジタル化し、「郷土新聞画像データベース」として公開を開始しました。

 「郷土新聞画像データベース」の提供範囲は、以下のとおりです。

新聞名 記事の年月
新潟新聞 1877(明治10)年4月~1916(大正5)年12月

 著作権等の制限があるため、当面は、デジタル化した新聞のうち上記の範囲で、記事の見出しが判読できる「低解像度版」の提供となります。制限の解消に合わせ、順次追加していく予定です。
 なお、原本、マイクロフィルム、高解像度版については、新潟県立図書館にお問い合わせください。

 このデータベースがより多くの方に活用され、郷土に関する教育・研究環境の向上に寄与することを願っております。

新潟県立図書館長

謝辞

 「にいがた MALUI連携地域データベース」ならびに「にいがた 地域映像アーカイブ・データベース」は科学研究費基盤研究(B)「「地域」映像の集合化による再帰的ソーシャル・デザインの研究」(課題番号15H03281)、「郷土新聞画像データベース」は科学研究費補助金基盤研究挑戦的萌芽研究「デジタル資料群間をめぐるMALUI連携による領域横断的研究」(課題番号16K13411)の助成をうけました。また、「にいがた 地域映像アーカイブ データベース」は、2021年度研究成果公開促進費・データベース(課題番号 21HP8010)の助成を受けました。