2014年度_授業報告_表現プロジェクト演習(ドイツ語劇)
2014/7/31 ドイツ語劇チェーホフの「かもめ」本番!! (2014/07/30)
こんにちは,TAの羽下です!いよいよ本番を迎えました。本番一時間前から集合できるメンバーで,大会議室の準備に入りました。椅子を並べたり,舞台を作ったり,パーテーションを作ったり。お客様の開場時間である16時。思ったよりも人が入っているのでどっきり。そしてだいたいのメンバーが前の授業を終え集合した16時15分ですが…「コースチャ(3)がこない!」とまさかのハプニング!!本番まであと15分。もしも欠席の場合は,舞台上に他のコースチャが登場し,私プロンプターが台詞を言う,という形で話がまとまりました。私羽下もドキドキしていました。しかし,20分過ぎ,コースチャ(3)が来てくれました。その時思わず皆さんから拍手が!!このおかげでしょうか,役者陣の緊張が少しだけですが,和らいだように思いました。
そんなドタバタな舞台裏。16時30分となりました。さぁ,泣いても笑ってもたった一回の本番です!
まずは,畑先生が,挨拶と劇の説明をします。このブログではお馴染みになりましたが,この劇は配役によって役者が交替するので,初めて見たお客さんは戸惑ってしまいますよね。ちなみに,お客様にはドイツ語と日本語で台詞が書いてあるパンフレットをお配りしてあります。
暗転し,両側の照明だけが照らされ,音楽が響いてきました。第一幕の始まりです!
コースチャ(1)の独白!本番は印象を統一するため,いつもかけているメガネを外してもらいました。すらすらと台詞を言い,椅子をきちんと並べて,ニーナ(1, 5)の登場です!
ニーナがやってきてくれて嬉しいシーン!コースチャ(1)の台詞通りの押せ押せモードが良くあらわれています。
劇中の観客であるアルカージナ,トリゴーリン,ドルンが登場し,コースチャ(1)と(2)が交替して,劇中劇へと進みます。
最初の頃よりも動きが大きく,台詞もはっきりしたニーナ(2)。不思議な劇中劇の中のニーナを見事演じきりました。
こちらはアルカージナ(1)。動きも様になっていて,息子への長台詞もなんなくクリア!
Bravo!と言って集まるシーンも息ぴったりでした。
ニーナが立ち去る部分の,ニーナ(2)とアルカージナ(1)の会話。実は,この部分,本番で初めて止まらずに流れのまま会話がすすみました!思わず,プロンプターをしている私が心の中でガッツポーズ。
ドルン医師の熱弁。この後コースチャ(2)がやってきますが,この2人の掛け合いもスムーズでした。
このやりとりの後,再び舞台は暗転します。今度は通常の明かりに戻って劇は進みます!第二幕の始まりです。
コースチャ(2)の台詞は非常に安定していました。淡々と,しかしだんだんとトリゴーリンに対して皮肉を言い始めるのもうまかったです。ニーナ(3)も台詞だけではなく,カモメを抱える動きもよくできていました。ニーナ(3)はドイツ語初めての唯一の一年生です!!それでもはっきりと長い台詞をクリア!
コースチャ(2)と入れ替わるように登場したトリゴーリン!そしてニーナ(3)から交替したニーナ(4)!恋に落ちていくシーンです!
嬉しそうなニーナ(4)の笑顔!そして満足そうなトリゴーリン!この2人は会話のやり取りが練習時でも自然なので,本番でもなんなく演じきっていました!Ein Traum!も見事に決まっていましたよ!
再び暗転をし,もう一度明かりがついて,第三幕へと突入していきます。
始まりは,ニーナ(4)がカーディガンを羽織って,日にちが違うことを示しながら登場。トリゴーリンへペンダントも難なく渡すことができました。ニーナ(4)が去り,入れ替わりでアルカージナ(2)が登場。トリゴーリンとニーナの仲を疑います。そしてトリゴーリンと入れ替わりでコースチャ(3)が包帯をつけて椅子を持って登場です。
Mama!と言って,アルカージナ(2)に包帯を巻きなおしてもらいます。そしてこの後すぐに包帯を投げつけて,親子喧嘩!テンポよく,そして荒々しさもきちんと出ていてすごく良かったです!!
泣いているコースチャ(3)も慰めるアルカージナ(2)も練習よりも良かったです!
そしてコースチャ(3)と入れ替わって再びトリゴーリンが登場。
アルカージナ(2)を結局は拒みきれないトリゴーリンを演じてもらいました。そしてわざとステッキを忘れるトリゴーリン。そしてニーナとモスクワで会う約束をしますが…
と,様々なキャラクターの思いをそのままに,舞台で「二年後」と書かれた紙を持ったコースチャ(1)が登場。第一幕から第三幕までの二年後である最終幕の第四幕へと入ります。
ドルン医師とコースチャ(4)が再会し,二年ぶりの会話。自身と周りの近況をお互いに告げることで,さらに二年後の実感を出します。ちょっと客席から距離があったので聞こえづらい部分もありましたが,きちんと会話らしく展開することができました♪
そしてコースチャ(5)がニーナ(1,5)と再会する場面。この丸テーブルでゲームを行うキャラクターたちとの落差がきれいに出ていました。
ニーナ(1,5)に自分のそばへ戻ってきてほしいコースチャ(5)ですが…
ニーナ(1,5)は手をはらいのけて,白い服から黒い服へと変化し,二年前の純粋なニーナがここにはもういないことを表します。ニーナ(1,5)の独白の演技やコースチャ(5)の感情のこもった台詞回しも非常によかったです!!
そうしてニーナ(1,5)が立ち去り,コースチャ(5)も落ち込みながら立ち去ります。
ゲームをしていた三人にきこえたのは一発の銃声。
今回ワイングラスも用意しました。驚くアルカージナ(2)にドルン医師が確かめに行きます。そうして彼女には自分の持っている薬品が爆発したと伝えましたが,トリゴーリンを引き連れ,コースチャが自殺したことを告げます。音楽が大きくなり,暗転して…ついに終演!!
拍手の中,カーテンコールにメンバーは照れながらもお礼を述べました。
私と先生を除いて生徒13人で演じました。
最初は多くの人が久しぶりのドイツ語に戸惑いや不安,まして,ドイツ語がはじめての生徒二人は一から覚えてやってきました。ブログで振り返ると,まさに約4カ月間での彼らの急成長を垣間見たような気がします。ドイツ語がここまで暗記出てきて,しゃべれるんだ!という自信にもつながったのではないでしょうか。畑先生も本番驚きながら,嬉しそうでした。今までで一番プロンプターが活躍しない,スムーズにいった40分のお芝居でしたよ!!ぜひぜひこれからも彼らには劇やドイツ語に興味関心を持ち続けてほしいと思います。
ではでは,これで2014年度の表現プロジェクトPの授業を終わります。畑先生,そして受講してくれた生徒のみなさん,ありがとうございました!!
2014/7/23 本番と同じように! (2014/07/16)
こんにちは,TAの羽下です!本番がいよいよ迫ってきました。今回,実際の会場である「大会議室」にて練習をおこないました。
こんな感じの舞台になる予定です(椅子が増えたり,もっとパーテーション代わりの机が増えたりするかもしれません)。そしてまだ未完成ですが…
なんと!あの真っ黒だったカラスが…白くなりました!これだけでももうカモメらしくなりましたよね!!
みんなもかなり気に入っています!これはコースチャ(2)が塗ってくれました!!引き続き羽の部分を塗って完成だそうです!本番が楽しみですね♪
そして,カメラは最初プロンプターと兼用しようと試みましたが,あえなく挫折した私,羽下です。そこで助っ人としてコースチャ(5)が第一,二,三幕を,コースチャ(1)が第四幕を撮影してくれました!!ありがとうございます。ではでは,本番の舞台での練習の報告に入っていきましょう。
第一幕!
気づきましたか?実は第一幕のみ,照明を使って舞台を照らします。
しかもオレンジの色付きです。
コースチャ(1)の動きも変更しました。前回は単に左右へうろうろしてもらいましたが,今回から役者たちが座る席を作る動きをしてもらいました。これぐらい細かい動作がある方が,動きが単調にならずあきませんよね!
ニーナ(2)の劇中劇の雰囲気もだいぶ様になってきました。
今回は,諸事情で照明が一つしか使用できませんでしたが,本番は二つ使う予定です。なのでもう少し明るくなるはず…!
ドルンのかっこいい雰囲気が醸し出されていました。
第二幕!
第二幕が始まる時に通常の明かりに戻ります。先生の指示もいつもより細かくなり,完成が近いことがうかがえます!
さて,ここでカモメが登場です!しかしこのカモメ…なかなか観客側に向けず…
これはちょっと怖いですね~!!なのでやはり頑張って横を向いてもらいました。
こんな感じ。
ニーナ(3)がカモメを持ち上げる時も優しく,優しく。
こちらはニーナ(4)とトリゴーリン。前回よりもずっと良い雰囲気です♪
本番も恋に恋しているニーナに期待しています!
ここでもカモメが活躍します。くれぐれも足を持たないように。
役者の交替もスムーズになってきました。
第三幕!
今回から第二幕から第三幕へ移る際,暗転する事が決定しました。
今回はコースチャ(3)がいるので前回のシュールな包帯付カモメはありません。
ペンダントを外すのに苦戦するニーナ(4)!本番も焦らないで大丈夫です。
包帯を巻く手つきもだんだんとうまくなってきました。
泣く演技も様になってきたコースチャ(3)。ただ,台詞が抜けそうになるので,泣きながら,でも,台詞はしっかりと…!本番では思い切り泣いてくれるのを期待しています。
こちらは先生が見本としてトリゴーリンを揺さぶったところ。そうです,これくらい豪快に!帽子がずれるくらいに!まさかこんなに綺麗に帽子がずれるとも思わず皆思わず笑ってしまいました。
トリゴーリンとアルカージナ(2)は台詞をほとんど覚えているため,会話らしく聞こえるコンビ。アルカージナ(2)の独白も見せどころ,聞かせどころ!
第四幕!
コースチャ(4)とドルンです。前回と座る位置を反対にしてみました。さらにコースチャ(4)にはブックカバーを持ってもらい,作家としてデビューしたことをわかりやすくしました。手に何かあった方が演技しやすい,と先生からのアドバイス付きです。
こちらは待機組。本番はやはりパーテーションを増やさなければならないようです。
ゲームをしている三人とコースチャ(5)もだんだんよくなってきました。今回もニーナ(1,5)欠席のため,代役をアルカージナ(1)にやってもらいました。台詞は私羽下があててみました。なかなかコースチャ(5)も台詞が入ってきているようです。
演技もだんだん大胆になってきました。
実は来週の水曜日は月曜授業振りかえのため,お休みです。よってなんと次回は…
7月30日(水)16:30~「かもめ」発表本番!!
になります!!
泣いても笑ってもこの日が最後です。きっちりばっちり成果を発揮してくれることを期待しています。
さぁ,いったいどんな芝居になるのか。次回本番をお楽しみに!
2014/7/14 暗記をして演じてみよう3 (2014/07/09)
こんにちは!TAの羽下です。7月9日の授業…ということで新潟は沖縄からの台風の影響で梅雨前線が直撃なのか,朝から雷と大雨がセットで落ちてきました。靴がびしょびしょに…。そのため全員出席となりませんでしたが,なんのその,今回も練習やっていきました!!
さて,前回に引き続き,カメラマンを役者のメンバーにやってもらうことに!7月9日担当は準備と第一幕→ニーナ(4),第二幕と第三幕→ニーナ(2),第四幕→ニーナ(3)です!気づいたら全員ニーナでした♪
練習に入る前に,台本を確認したり,カモメ作りの担当を決めたり,当日のポスターの打ち合わせをしたり。本番が迫ってきた感じがしますね!では,練習へと入っていきましょう!
第一幕♪
動きが出てきたコースチャ(1)です。だいぶ動けるようになってきました。今度は緩急もつけたいところですね。
前回に引き続き,台詞にあわせて動作を変える劇中劇のニーナ(2)です。先生から「この劇中劇は変なの!だからもっと変なふうに!!」と声が。
大胆な身振りに思わず皆拍手をしました。
先生との息がぴったり!ちなみにこれは現れた目玉を指さすシーンです。
高笑いするアルカージナ(1)のはずが,息のあった大胆な演技に素で笑ってしまいました。お腹が苦しそうです。でも自然な流れはいいですよね。
紹介のシーンは良い流れでできました。
こちらはコースチャ(2)とドルン。ドルンがコースチャ(2)の作品をほめ,それにコースチャ(2)が喜ぶシーン。
握手もだんだんと慣れてきたようです。でもまだ顔がぎこちないでしょうか?もっとお互い嬉しそうな笑顔で!!
第二幕♪
まずはニーナ(3)に演技の指導を直接先生がおこないました。トリゴーリンのことを考えているときはもっと嬉しそうにすること。そしてカモメ(今回はまだカラスですが…)をかかえること。
コースチャ(2)にもカモメ(カラス)の置き方が指示されます。バサッ!と投げるのではなく,ちょっと優しく置きます。
カモメをかかえるシーンは見事クリア!
こちらはTake2~3の間。ニーナ(3)笑顔です,笑顔!!と先生からの熱い指導が!
実は,このシーンでニーナ(3)からニーナ(4)への交替が行われます。ということで,ニーナ(4)も素敵な笑顔に!
恋に落ちて見つめあうシーンと指さすシーン。どちらも恋に恋するニーナ(4)となんだか下心が見え隠れするトリゴーリン。先生の演出もだんだんと大胆になります。
アルカージナ(1),ニーナ(4),トリゴーリンのこの三角関係もおなじみになりました。ちょっと複雑な雰囲気が醸し出せればいいですね!
第三幕♪
最初に,ニーナ(4)が「偶数?それとも奇数?」とトリゴーリンに尋ねるシーン。最初は写真のとおり前回と反対の立ち位置で演じてみました…が,ニーナ(4)がスムーズに現れるには今までどおりの方が自然との意見が多かったので,最終的に立ち位置は前回と同じものになりました。
ロケットつきのメダルを渡すシーン。立ち位置はやはりこちらの方がしっくりくるようです。手を前に組むのもいいですね!
ニーナ(4)と入れ違いにアルカージナ(2)がやってきます。トリゴーリンと言い争うシーンもなかなかいい流れで進んでいました。
…とここで今回コースチャ(3)がお休みなので,アルカージナ(2)がコースチャ(3)の包帯を巻きなおすシーンですが…
代役をなぜかカモメ(カラス)が担当!声は畑先生が担当します。カモメ(カラス)は代役にもかかわらずこんなにも堂々としています。
思わず,アルカージナ(2)が笑ってしまいました。いや,やっぱり息子がカモメ(カラス)だと……(苦笑)
アルカージナ(2)は台詞をきちんと覚えているため,劇はなんなく進むのですが……思わず役者メンバーは笑ってしまいました。どんなに頑張ってコースチャ(3)のフィルタをかけても,目に映るのは包帯を巻かれているカラスです!!結構シュールな情景ですよね。
喧嘩のシーンも
慰めるシーンもシュール。
その分,次のアルカージナ(2)とトリゴーリンの喧嘩は非常に迫力がありました。
揺さぶるのはやはり本番までの課題になりそうです。なかなか難しいですよね,どこまで揺すっていいのかどうか。
こちらはひそひそ話をするトリゴーリンと,それを聞くニーナ(4)。そうです,お客さんにお尻を向けないように,でも不自然にならないように。
第四幕(二年後)♪
こちらはドルンとコースチャ(4)のシーン。おおっ!コースチャ(4)の台詞の暗記が非常に進んでいてびっくりしました!ここは長い台詞がありますから。さて,今回からコースチャ(4)も舞台に座ってみることにしました。これにより…
だいぶ動きが出るようになりました。この後ドルンも立ち上がります。
こちらは舞台の後ろでゲームをしているメンバー。
実は今回ニーナ(1,5)も欠席でした。なので代役をニーナ(4)が担当します。ただし,台詞は畑先生が担当。
前回よりも前後の差がより見えるようになりました。
コースチャ(5)もだんだん身振り手振りがうまくなってきました。
次回はだんだんと変化するニーナ(1,5)と一緒に演技がみられるのを期待しています。
最後はコースチャ(5)の自殺をトリゴーリンに伝えるドルン。しゃがむのは今回からつけてみました!
みんなだんだんと自分の役柄を把握してきたのではないでしょうか。
次回はいよいよ,本番の会場である「大会議室」にて練習を始めます。お楽しみに!
2014/7/4 暗記をして演じてみよう2 (2014/07/02)
こんにちは,TAの羽下です。7月最初の授業開始となりました。まずは本番の衣装合わせをしていくことに…。
基本的にニーナは白を基調として,時の経過をカーディガンを羽織ることで表すことにしました。対照的なアルカージナは
赤い色を基調にします。現在一着のため今回はアルカージナ(1)がアクセサリーと衣装をつけて演じます。
ドルン医師。次回は青いシャツにベスト!期待しています。個人的には青いシャツの上に白衣もお勧めです。ちなみに男性陣に関して,トリゴーリンは前回から引き続きステッキと帽子,コースチャは上下黒を基調とした服で統一します。
さて,まだまだ長袖の上着を羽織ってもちょうどいい,そんな涼しい中で,熱い練習が繰り広げられていました。今回のカメラも,第一・二幕をコースチャ(5),第三・四幕をコースチャ(1)に頼みました。前回とはまた一味違った授業の様子をどうぞ!!
第一幕です!
独白前半には慣れてきたコースチャ(1),身振りも自然になってきました。
ニーナ(1,5)に会えたコースチャ(1)。この嬉しいような照れたような感じが良かったです。
ニーナ(1,5)もちょっと照れくさそう♪若い純情な娘の愛らしさが出ています!
そうしてニーナ(2),コースチャ(2)に代わり,劇中劇が始まります。
白いストールをどう使うか先生と話し合って,「Kälte」(寒さ・寒い)を繰り返す台詞の時はくるまってみたり
最初の台詞でストールを広げてみたり
中間の台詞で舞台から降りてみたり,前回よりもずっと良い動きがでてきました!
幕を下ろすコースチャ(2)の怒りのシーンで
もっと大仰にするように,と指導が。確かに,上演中に女優である母から皮肉を言われたら,嫌になりますよね,息子は。
そんな皮肉を申す母アルカージナ(1)はこちら!扇子やアクセサリーが良い雰囲気を出しています。高笑いも素晴らしかったです。
そしてニーナ(2)がアルカージナ(1)からトリゴーリンとドルンを紹介されたあと,1人残ったドルンがコースチャ(2)の劇をほめる場面。
当初,最後までずっと立っていましたが,途中から座ることに。視線の高低差が出て動きがでました。
コースチャ(2)が立っているので,この対角線の構図は良さそうですね。
第二幕!
第二幕を始める前の準備時。メンバーも質問しあってみたり,先生も第二幕をどうしようか考えたり。
前回よりも息があってきたコースチャ(2)とニーナ(3)。今回,カモメ(前回の黒いカラス)を準備できなかったために,コースチャ(2)の筆箱を借りました。…までは良かったのですが,実際,劇にてどのようにカモメを置くかでみんなで相談。乱暴に置いたら,さすがに死んだカモメでも可哀想な気持ちが先行してきたようです。かといって優しく置きすぎても,それは場面として違うような…。ということで折衷案!乱暴すぎず,優しすぎず。これにはみんなで苦戦して笑いました。
カモメだと思えば,気になりません。流れに沿って順調に芝居は進んでいきます。
ニーナ(4)に代わり,トリゴーリンと会話する場面。そうです!ここのシーンのニーナ(4)はあこがれの先生の前で目をハートマーク!にっこりニーナ(4)…でも
先生からはもっと嬉しそうにという指導が入ります!まだちょっとぎこちないようです。対するトリゴーリンには,もっと,若い女の子に興味を示した下心を表そうということで
会心の表情!!これを台詞を言いながら,芝居を進めながら出せればかなり雰囲気が良くなります!でも,これがなかなか難しい。
第三幕!
実は第一幕,第二幕は比較的スムーズに芝居が進んでいきましたが……第三幕はハプニングが(時にびっくり時に楽しく)起こったため全四幕の中で一番時間がかかりました!
準備のため,先生も指示を入れていきます。
トリゴーリンのステッキをどうするか。こんな風に腰を曲げてしまうと,おじいちゃんになってしまいます。そしてなにより,このステッキ,折りたたみ式なので途中外れやすい箇所がいくつかあります。ポキンと。
こちらはコースチャ(3)の包帯の準備。目を覆ってしまわないように巻いていきます。アルカージナ(2)からコースチャ(3)の目の位置が見えにくいので,これも意外に難しいようです。
さて,これは第三幕最初のシーン。実はこれはTake2!ニーナ(4)が「偶数?それとも奇数?」という台詞で相手に対して,掌の中にどちらが入っているか選んで当ててもらう場面ですが,Take1では「偶数と奇数?」と選べない状態の台詞に!!思わず言った本人も笑ってしまいました。ドイツ語では[und]か[oder]の違いですが,劇の進行上,全く違うものになってしまいますので,他のメンバーも台詞には要注意です!!簡単な並列の[und]を省略したり,反対に[und]をつけたりしてもおかしくないところでつけたしたり,多少のアドリブは許されますが,意味が大きく変わる場合はNGです!
トリゴーリンがロケットつきペンダントをもらいます。このシーンに至るまでステッキもポキッと折れています!
そしてニーナ(4)が去った後,アルカージナ(2)がペンダントを見せてもらおうとするシーン。必死なアルカージナ(2)ですが,いやいや笑ってますよ!!ということでもう一回!
次にトリゴーリンと入れ替わりでコースチャ(3)がアルカージナ(2)に包帯を巻いてほしいと求めるシーン。
椅子を持ってきてアルカージナ(2)に頼んで…
ここまでは順調でしたが…
とれちゃいました。後ろからだと見えない上,台詞とともに行うので悪戦苦闘。二回目でようやく包帯もきれいにできるようになり,どの台詞までで包帯巻きを終えるか打ち合わせもきちんとしました。
二人でけんかしたあと,コースチャ(3)が泣いて,アルカージナ(2)が慰めます。
泣き崩れるコースチャ(3)。
と,慰めるために手をそえてみますが,ちょっとぎこちないですね。
先生も思わずいい笑顔!ということでTake2!
まだぎこちないですがOKいただきました!これにアルカージナ(2)のけんかの時の激昂とは全く反対の,慰めの台詞が入ります。
つづいてコースチャ(3)とトリゴーリンが入れ替わり,アルカージナ(2)がトリゴーリンの気持ちを自分に再び向けさせようとするシーンです。
途中までは立ちながら台詞のかけあいをおこないますが…中盤以降,舞台に座って演技をすることに。この演出に…タイミングがあわず
先生が直接,身振り手振りの指導へ!でも…
まだまだ揺らすのが優しいアルカージナ(2)。すると
もっと,すがりつくように!!と先生から再び指導が!!これにはトリゴーリンも笑ってしまいました。でも,大きく身振り手振りをしたり,人に触れたりすることって恥ずかしいですよね。その恥ずかしさを捨てて,ひとつ殻を破って演技をすることが大切です。今回,非常に起伏の激しい第三幕のアルカージナ(2)の指導に熱が入りました。
そして第三幕,偶然にも(ただ,おそらくトリゴーリンの意図があると思われる)ニーナ(4)とトリゴーリンの再会。
ニーナ(4)の決意を表すため,こぶしをいれます。ちょっと力みすぎですか??でもかわいいです。台詞とあわせた微細な動きも,いざ考えてみるとなかなか思いつきにくい!
先生とアイデアを重ねて
こちらは没になった身振りをやってみて思わず,みな笑ってしまいました。いまのところ,胸元と両脇でそれぞれこぶしを握ることに。
さて,本番までどのような演出になるでしょうか。わくわくしますね。
第四幕!
時間が押していたため,少し駆け足気味で行いました。二年後が舞台です。ドルンが一人,状況の独白をして,コースチャ(4)と再会します。
ここは演技よりも,まだまだ台詞の暗記のほうが不安のようです。実際コースチャ(4)のひとつひとつの台詞は長く,単語もあまり使わないものや,造語が多く見受けられます。これをスムーズにいうのは結構大変!
続いて,コースチャ(4)が三人にゲームをしないか持ちかけられます。もちろん断るシーン。ここから後ろでゲームをするグループとコースチャとニーナのグループに分かれることになります。そしてコースチャが交代して…
うれしい再会で,テンションもOK!ですが,台詞を噛んでしまって思わず,二人で笑顔。
先生からも雰囲気のOKがでました。
舞台はこんな感じに。前回よりも二つのグループの位置関係がわかりやすくなりました。っと,後ろのゲームグループは盛り上がりすぎに注意!楽しみすぎて声が大きくなってはいけません。前の二人の雰囲気がいいのに,もったいない!!なんてことに。メインはニーナ(1,5)とコースチャ(5)の二年前とかわった関係とニーナ(1,5)の決意ですよ!
ニーナ(1,5)が白い衣装を脱ぎ,黒い服にチェンジすることで,昔の純粋な彼女はもういないことがわかるシーン。脱ぎながら台詞を言うニーナ(1,5)。一番の山場ですが,脱ぐことと台詞が同時進行なので難しい!そしてコースチャ(5)もボーッとせずに表情や手振りをつけないといけないシーンです。第三幕のアルカージナ(2)とトリゴーリンのシーンもそうですが,男女の掛け合いの表情の機微は重要となります。しかし,自分から見えないので暗記を終えた後,本番ギリギリまでの練習課題となりそうです。
先生の指導も,かなり熱が入りました。最後の落ちであるトリゴーリンとドルンのシーンも問題なく終了。銃声の音声の音量は次回,きちんとデッキを決めて調整することになりました。
今回,前回よりも動きが増し,それぞれの人物,そしてシーンの役割が明確になってきました。さらに今回,演出において先生だけでなく,その場面を演じていないほかのメンバーから意見がたくさん出てきたので,劇の形も面白くなってきました。
私,羽下もプロンプターとして台詞の補佐をさせてもらっていました。次回まで頑張って暗記してよりいっそう良い動きができるようにしましょう!!そして今回のカメラマンであるコースチャ(5),コースチャ(1)ありがとうございました!!次回もみなさん,お楽しみに!!
2014/6/26 暗記をして演じてみよう (2014/06/25)
こんにちはTAの羽下です。前回に引き続き,今回も簡易ステージを利用して練習しました。そして題名にもある通り,今回からなんと!!台本なしで,暗記をして練習していきます。よってすべての役者の両手が空くので,小物や仕草が格段に増えてきました。
先生と打ち合わせしてから
…っと,トリゴーリンは早くも帽子とステッキを持って待機しています。やる気十分です!
こちらは第一幕の待機組メンバー。右からニーナ(1, 5),トリゴーリン,アルカージナ(1)(複数役者が行う役はカッコ内に登場する順番を表示。ただしニーナ(1, 5)のみ二回登場)です。初めての暗記は緊張しますよね。
さて,今回から新しい小道具が仲間入りしました。
ドンッ!カラスです!!…といっても実際これからこのカラスを白く塗ったり,薄灰青を足したりして「カモメ」にしていきます。着色の準備が間に合わなかったので,カラスのままで使用。ちなみに…
翼は開きません。そして,フニャフニャと意外に柔らかい。
こうやって高速で動かしても,壊れる様子はありません。今後,このカラスがどのようにカモメになるかも楽しみにしていてください。さて,このなんともリアルなカモメ用カラスにみんなで喜んだ後,練習に入って行きました。
ここで,みなさん,暗記してすぐに練習できるものなのか?と思う方もいるかもしれません。
その通り!仮にすべて覚えていても,練習で演技指導を受けたり,本番たまたま真っ白になったり,様々な要因で忘れてしまうときがあります。そして今回のようにまだまだ覚えたての時も,ある「助っ人」が入ります。それが「プロンプター」です。
演説や演劇などではお馴染みの用語で,演劇では,舞台上の俳優のアシスト(台詞や所作などを忘れてしまったときに助けること)を主に舞台袖で行う人のことを指します。(演説では,人ではなく演説者前にある演説内容のディスプレイ表示等の機械をいいます。)
ということで,今回から私TA羽下がプロンプターとして,みんなの助っ人になりました。実際舞台にずっと張り付いていることになります。そのため,今回からしばらくの間,演技中の写真を,出番終了(もしくは出番前)の役者陣に思い思いに撮影してもらうことにしました。(以下から学生目線での写真です。)
第一回目の今週は,先程待機していた優雅なアルカージナ(1)にお願いしました。
と,こちらは私プロンプターです。恥ずかしながら,このように舞台袖の隅で,みんなが抜けてしまった台詞を二三告げて,流れを止めないようにしていました。さて,演じる役者たちの写真は第三幕と第四幕です。
ニーナ(4)とトリゴーリンとアルカージナ(2)。どうでしょう。まだまだ両手や動きがぎこちないですね。しかし,このメンバーは結構台詞を覚えていたので,演技の指導も前回よりも格段に増えてきました。
こちらはアルカージナ(2)とコースチャ(3)。包帯を巻くシーンです。少し演技を中断して,包帯を確認しています。実際に巻いてみると,やりにくいですね。台詞よりも包帯に四苦八苦していました。
第四幕のドルンとコースチャ(4)。今回ドルン役の学生が欠席のため,先生が代わりに入りました。コースチャ(4)の台詞の必死さもうかがえます。第四幕の中盤で長い台詞があり,苦戦しているようです。ファイト!
こちらはニーナ(1, 5),コースチャ(5),そしてアルカージナ(2),トリゴーリン,手だけですがドルン。
第四幕終盤です。ニーナが暗い表情に対し,コースチャは大好きなニーナに再会できて嬉々としています。その後ろでは別室でゲームを楽しむ三人。台本が外れることによって,さらにこのシーンにおける感情の差が顕著になりました。
先生の指導も熱が入ってきました。でもまだ,何人かの学生はドイツ語の発音で戸惑う部分もあるようです。
最後,ドルンがトリゴーリンにコースチャの自殺を告げるシーン。最後のシーンのドルンは,強調するように台詞はゆっくりになるようです。ドルン役の学生がどのように演じるか楽しみですね!!
今回,普段よりもぐっと緊張度が高く,より本番に近付いてきました。そして学生の目線からの写真もいかかでしょうか?私羽下とはまた違った目線を見られて非常に面白いかと思います。
見守っていたカラス(写真はありませんが,第二幕で大活躍しました)も期待しているようです。次回も引き続き暗記をして演技に磨きをかけていきたいと思います。お楽しみに!!
2014/6/19 道具と仕草を増やして演じてみよう (2014/06/18)
こんにちはTAの羽下です。今回はなんと,舞台装置として,劇中劇での舞台を練習している教室に持ってきました。
ホワイトボード部分は舞台裏の設定です。予想外に大きかったので道具置き場から一台だけ借りてきました。(最初は二台の予定でした)
まずは小道具となる「かもめ」について相談しました。発表予定日も刻々と迫ってきたので,これかな?これか!とみなさんの笑いを誘うように,決めていきました。次に今回の練習から音響効果も入れていくため,誰がどこを担当するのかを確認。
今回一台使用しましたが,当日は二台になるかと思います。
さぁ,劇の方を通して練習していきます。今回は,だんだん台詞が覚えられている箇所から,動きの指導を多く取り入れました。
コースチャが動いてみたり
劇中劇のニーナの身振りを大きくしてみたり。
音響もきちんと入れて…
立ち位置と,台詞に表現される感情の確認。この時,劇の中では初めてニーナにトリゴーリンが紹介されます。
第二幕も,引き続きこの劇中劇のステージを生かします。
死んだかもめ(今回は洋服で代用)を置いて強調させます。
こうすると,ニーナ・かもめ・コースチャ・トリゴーリンの四つはどれも観客から見ればかぶっていません。なかなか立ち位置も難しいようです。
第三幕では,このステージに座ることで人物の高低差をつけました。
役の交替をきちんとして
ステッキの持ち方も確認。老人になってはいけないので,腰は曲げないこと!!と気をつけながら…でもこのステッキは折りたたみ式なのであまり体重をかけすぎても「ポキッ」と崩れる恐れが…注意しましょう。
こちらはニーナがペンダントのロケットを外して,トリゴーリンに渡すシーン。両手を使うため,台本はこの時舞台に出ていないアルカージナが持っています。焦ると大変なのであくまでゆっくり外して,渡します。お客さんにお尻を向けないように見せ方も確認。
ロケットを手渡された後もこんな感じに。
こちらはコースチャが指さすシーン。先生と息がぴったりでした♪
うなだれている感じもOKです。
アルカージナがトリゴーリンに問い詰めるシーン。この後,実は再びアルカージナが膝まづいたり,立ちあがったり。それだけで大きな動きに見えるので,ステージの役割が大きいことを実感しました。
最後の第四幕でも,ドルン医師がステージに座って台詞を進めます。
交替にも慣れてきました。
今回ロット(ビンゴ)組はステージがあるため,場所が狭そうです。
第四幕でもニーナとコースチャの山場は座って演じてもらいました。
今回,前回よりもずっとみんな動けるようになってきました。次回から台本を外すため,手の動作や視線の置き方が課題となりそうです。次回もお楽しみに!!
2014/6/12 立って演じてみよう4 (2014/06/11)
こんにちは,TAの羽下です。6月二週目になりまして,湿気が非常に多く,授業で使用している教室も扉を開けた途端,ムワリと空気が流れこんできます。前回に引き続き今回も,立ち稽古です。椅子の配置にも慣れてきました。
トリゴーリン役の生徒が諸事情により早退するため,一番彼が多く登場する第三幕から始めました。
ニーナが持っているペンは,本番ではロケットペンダントです。まだ台本を持っていますが,だんだん小道具を持ってしゃべったり,自分の立ち位置がどのようにお客さんに見えるのか意識できるようになりました。
ロケットペンダントを背に隠したトリゴーリンを怪しむアルカージナ。どう動いていいかわからず,思わず笑みが!
今度は同じ幕での,アルカージナとコースチャのシーン。コースチャが母であるアルカージナに甘えますが,彼女と喧嘩し,落ち込み涙を流します。これは泣き出す直前。この後椅子の座り泣き崩れます。鼻がなるくらい,と先生からのアドバイスどおり,いい感じの音をいただきました!
続いて第一幕に戻りました。
手を頭に添えてみます。意外と手に何かを持っている方が,手の演技がしやすい,と先生が。なるほど,手をまっすぐダランとしている人って少ないですよね,必ず動きがあります。それを意識し始めると,行進の際,右手と右足が同時に動くような事態になりそうです。
第一幕の劇中劇のシーン。今回,ニーナには実際に着る白い衣装を身につけてもらいました。左からアルカージナ,ニーナ,コースチャ。このときアルカージナが皮肉をこめて劇を小馬鹿にし,コースチャが怒ります。
“Mama!”
思わずニーナもコースチャを見てしまいました!いい感じで大声を叫んだコースチャ,最初よりもずっとよくなりました。
こちらはアルカージナがニーナにトリゴーリンとドルンを紹介するシーン(トリゴーリンは代役です)。立ち位置を決めるため,先生も立ちあがって確認。
引き続き第二幕を流れのまま行っていきました。
ニーナの白い衣装は現在一着しかないので,交替の際はその場で脱いで,次の人に受け渡してようやく次の人が着ることになります。急ぎたくなりますが,あくまでお客さんにニーナが交替したことを認識させる意味を含んでいるので,ゆっくりで大丈夫!と先生がアドバイス。
こちらはトリゴーリン(代役)とニーナ。すでにニーナは劇中で交替した後です。恋に恋するニーナの良い笑顔。
先生もこっそりニコリ♪今回は特に台詞の進み具合が良いので,演技の方も良い流れができていました。
山場の第四幕へ突入します。
第四幕のドルンとコースチャ。コースチャのドイツ語が凄く良くなっていて,先生も嬉しそうです。
ここで,次回の課題の一つが浮かび上がりました。ニーナの衣装チェンジも課題ですが,何番目のコースチャがいつ椅子にすわるか,そしてどのタイミングでハイタッチをするのか。今回第四幕のハイタッチは迷ってしまい,舞台を一周する事に……。これはみんなで確認していきましょう。
ニーナとコースチャの再会のシーン。この時点でまだ白い衣装を着ていたニーナですが,長台詞の途中から脱いでいき,本番は中の黒い服に変わるという演出があります。今回たまたま来ていた服が黒と紺色だったので,その演出の変化をつかむことができました。
黒い服のニーナとコースチャがシリアスなシーンを行っていますが,その後ろにはゲームをしている三人が。ドルンがお酒を飲んでいるように演技しているようです。この前後の落差もいい味だしていますね。
最後にみんなで次回の課題についてだしました。
舞台に本当は台が敷かれてる予定なので,その大きさの確認や,衣装チェンジや役のチェンジのタイミングなど課題は山積みです。加えてドイツ語の暗記。次回から少しずつ台本が外れるといいですね♪さらなる成長をお楽しみに!
2014/6/5 立って演じてみよう3 (2014/06/04)
こんにちは!羽下です。だんだん蒸し暑くなってきました。梅雨が迫る6月初め,5月から引き続き,チェーホフ『かもめ』ドイツ語版の立ち稽古をしました。
台詞箇所を打ち合わせした後,今回は第一幕からではなく,最終幕の第四幕から順に練習しました。
さらに今回,役者の舞台の位置を窓側にしました。ホワイトボードを幕の代わりにして,裏のスペースを作るためです。これにより,劇中劇として座るときと,裏へ行くときのタイミングが明確になりました。
こちらは後ろの(左から)ドルン医師,アルカージナ、トリゴーリンがロットー(ビンゴのようなゲーム)を行っており,楽しんでいる様子。その対として前面に出ている(左から)ニーナとコースチャは,再会もつかの間,シリアスな会話が繰り広げられます。舞台の距離感も本番さながらになってきました。
本番はこのシーンで二人とも長椅子,もしくは長テーブルに座る予定です。
最後の台詞はゆっくりと。と,気になるのか裏からひょっこり顔が♪本番はもちろん見えないようにします!
続いて第三幕です。ストーリーは過去に戻ります。
だんだん台詞が入るようになると,先生から演技の指導が入ってきました。
第三幕最初は,ニーナがトリゴーリンにロケット(写真が入れられる首飾り)を渡すシーンから。恋に恋しているニーナです。
こちらは,アルカージナとコースチャ親子の喧嘩シーン。愛人のトリゴーリンを悪く言われて怒るアルカージナと,自分の才能を認めてくれないと怒るコースチャ。台詞の掛け合いが素早くなってきました。立ってお互い見合うことで臨場感が増しています。
すがるアルカージナ。起伏の激しいシーンが多い三幕は,各役の感情の温度差が非常に面白い。
トリゴーリンが偶然ニーナと会う場面。再会の約束する二人ですが,運命は……と四幕に続くシーンです。ニーナとアルカージナの温度差,第四幕と第三幕の温度差も徐々に出てきました。
さて,その温度差が発生する過程の第二幕です。
ニーナとコースチャ。今回はペットボトルがかもめの代わりです。この時点で,ニーナの恋情はトリゴーリンへと傾いています。台詞を噛む回数が減ってきました。
この立ち位置が絶妙でした。ニーナ,トリゴーリン,コースチャの歪な三角関係です!
今回一番の笑顔をニーナさんからいただきました。第二幕最後のシーン。トリゴーリンがもう一日残ることが決まり,「夢だわ!」と観客の前で歓喜の声をあげます。
さぁ,最初の第一幕まで戻ってきました。舞台の説明をするコースチャからですが,今まで,感情豊かなコースチャとは全く違います。芝居を逆走させて練習するのも,それぞれの幕・シーンでの役の役どころが顕著になるので,自分が演じる時の役の感情や立ち位置,状況が明確になりました。
コースチャはすぐに交替するので,次のコースチャは座席に座っています。
前回お伝えしたタッチしての交替。こんな感じです。
劇中劇のニーナや
劇中劇が終わったすぐのアルカージナに
先生の指導も熱くなります。
トリゴーリンとドルン医師の紹介シーンの立ち位置も良くなりました。
最後にドルン医師がコースチャの劇をほめるところで,練習は終了です。流れも,簡単な会話のシーンはスムーズになってきました。長い台詞の部分は台本を見ながらでも,なかなかどこで区切るかわからず,うまく言葉が出てこないようです。特殊な発音もあるので注意していきましょう。
残りの20分間は前回の『かもめ』DVDの第三幕を少しだけ見ました。次回も立ち稽古とDVDの続きを鑑賞します!お楽しみに!
2014/5/29 立って演じてみよう2 (2014/05/28)
こんにちは!TAの羽下です。前回に引き続き、今回もチェーホフの『かもめ』ドイツ語版の立ち稽古を進めていきます。
準備もばっちりです。第一幕最初のコースチャの長い台詞も、前回よりずっとスラスラと言えるようになってきました。
身振り手振りも少しずつですが、先生からの指示も増えました。
こちらは思い人のニーナがきて嬉しそうにするシーンのコースチャ。台詞も熱のこもったものがたくさんあります。
こちらは第一幕劇中劇のニーナ。前回よりもずっと様になってきました。
そして、今回から演出として「同役の交替は観客に見せる形でハイタッチ」というものが加わりました。
↑これは第一幕の最後のシーンです。この第一幕のニーナ(二人目)の方は、第二幕が始まる直前(もしくはその後)に第二幕のニーナ(三人目)の方とハイタッチを見せてから交替します。
第二幕のかもめをつかんだニーナです。コースチャも入れ替わっています。本番は同役の方々は、全員同じような衣装を着ますが、このハイタッチを加えることによって、配役がより分かりやすくなります。
こちらは第二幕四人目のニーナと小説家トリゴーリン。小説のファンでトリゴーリンに憧れていたニーナは彼にメロメロ、トリゴーリンも若い女性に想いを寄せられまんざらでもないシーンです。二人ともいい感じになる場所。台詞には慣れてきましたが、なかなか感情的にはなれないようです。
こちらは第三幕親子のシーン。右のアルカージナの息子がコースチャです。ここでのコースチャは母親にまだ甘えている部分がある青年です。しかし、第一幕で上演した自分の劇を母親が気に入らなかったため、二人の口げんかが起こります。ただし、すぐにアルカージナの方が、言い過ぎたと感じて息子を慰めるのです。このシーンは感情がぶつかり合い、それに伴って感情がコロコロと変化します。速さが大切です。台詞を覚えてからの方が迫力ありそうですね。
同じく第三幕のアルカージナとトリゴーリン。愛人関係の二人ですが、トリゴーリンがニーナに惹かれていることをアルカージナは感じ取り、彼にすがる部分です。
先生から、アルカージナがすがるときは膝をついてもいいくらい必死で、とアドバイスをもらいました。アルカージナは最後の恋だと思っているかもしれません。
第四幕のドルン医師。このあと、コースチャが登場して現在のそれぞれの立場や周りの状況について会話します。
そして第四幕のニーナとコースチャの再会です。未だにニーナが好きなコースチャですが、見事に彼女に振られます。彼女は彼女で夢と現実を目の当たりにし、かつての純粋な夢見る乙女ではありません。
そして第四幕最後。ドルンがコースチャの自殺について告げるシーン。
舞台中の劇中劇や立ち位置に少しずつですが慣れてきました。まだ台詞が棒読みの部分もありますが、暗記しながら克服していきます。授業残り30分は、劇の雰囲気をつかむために、ロシアで演じられた『かもめ』のDVDを第二幕の最初まで見ました。
次回は引き続き立ち稽古とDVD鑑賞をします!お楽しみに!
2014/5/23 立って演じてみよう (2014/05/21)
こんにちは、TAの羽下です!
今回もチェーホフの『かもめ』ドイツ語版を張り切って演じます!
まずは、前回決めた配役と何幕で誰が出るかを確認しました。台詞が長い幕や会話が重要になる幕、などそれぞれの幕に特徴がありますからね。
ドイツ語と日本語両方が記載されている手作り台本を見ながら…今回はなんと…
立って動きを入れながら練習してみました!台詞をまだ全部覚えていないので、ついつい棒立ちになってしまいますよね。
第一幕の一番最初のコースチャ。ここは、この劇の概要を説明するシーンです。そのため激しい動きはしませんが、長い台詞の分、覚えるのは大変です。
第一幕、ニーナの登場です。コースチャ、もっと嬉しそうに!意中の相手が来たのだから、と先生から喝っ!が入ります。
いったん、劇を止めて、この後登場するトリゴーリン、アルカージナ、ドルン(今回ドルン医師役の方は風邪で欠席のため、音声だけ羽下が演じました)の位置を確かめています。コースチャの劇を見るシーン。椅子の位置はそこで大丈夫かな?
実際はこんな感じになりました。第一幕の劇中劇です。ニーナ役は二人目の方にバトンタッチ!このシーンは、ほぼニーナの独白になります。
コースチャの劇を演じているニーナ。ここも長い台詞+読みなれないドイツ語単語も出てくるので緊張しますね。
左のアルカージナが劇に冷やかしを入れるので、真ん中のコースチャ(コースチャは二人目の方に交代です)が怒って止めるシーン。アルカージナはもっと厭味を言うように、コースチャは自分の作品を貶されたので、もっと怒って、と先生からアドバイスが飛びます。
第二幕でコースチャもニーナも三人目の方になります。
次回はより詳しくお伝えしていきますよ!